第五篇 兵勢
☆☆☆相場の動きとタイミング(休むも相場)☆☆☆



トップページへ戻る

コーナートップへ戻る


第1節 相場の動きに合わす為の4条件
第46回 損切りと銘柄選択

 これまでの2回で、資金管理と状況判断について説明しました。今回は、残る二つである損切りと銘柄選択について説明します。この2項目は、これまでさんざん説明していますので、既にご理解いただけたと思います。それでも大切なことですので、くどいようですが、再度、簡単に説明したいと思います。孫子は、

「全軍が、敵の攻撃を受けても、決して敗れることが無いのは、作戦立案(敵を正攻法で迎え撃ち、奇策で撃破すること)の問題である。攻撃したとき、卵に石をぶつけるように容易く撃破できるのは、目標選択(敵の防備している所を避けて、不備を攻撃すること)の問題である。」

と、しています。これを株式投資に置き換えると、

「相場が急変しても、決して損しないのは、損切りの問題である。仕込みしたとき、天から金が降ってくるように利益が得られるのは、銘柄選択の問題である。」

 になると思います。相場が急変して、思いもよらない事態に陥ったとしても、大損しないというのは、損切りが問題無くできているからです。いくら状況把握ができていても、損切りという実行部分ができなければ意味がありません。小さな損にこだわって、損したくないという恐怖心から、甘い判断に流されてしまっては、損は大きくなる一方です。また、損切りは早ければ早い方が良いのです。それこそ、損が出る前に勢いがなくなれば損切りする。これが重要なのです。その上、リスクの少ない銘柄を選択して仕込めば、相場の急変により急落することもありませんし、損することもありません。つまり、銘柄を選択する場合は、仕込むことにより生じるリスクとリターンを秤にかけ、リターンが圧倒的に大きいものを選ぶということになります。

 資金管理ができて、状況判断ができても、損切りと銘柄選択ができなければ、儲かるものも、儲かりません。的確に状況が捉えられて、このままでは反落するとわかっていても、損切りという現実的な動きを伴わなければ、損は拡大します。損するのは誰もが嫌です。しかし、損するとわかっていても、もしかすると、明日には反転するのではないかという淡い期待に賭け、損を拡大させたことは往々にしてあるのではないでしょうか。人の感情と言うのは面白いもので、多少の損であれば気にしませんが、多少の儲けは気にします。100万円を投資していて、1万円の損が2万円になっても気にしませんが、2万円の儲けが1万円になると動揺します。これは、非常に面白い現象です。どうして、このように感じるのか、考えたことがありますか。これが、損切りが、わかっていてもできないという理由なのです。

 人の精神は、安定を保つために、嫌な経験を忘れて、良い経験のみを残そうとします。ですから、株式投資でも、失敗の経験よりも、成功の経験の方が、明瞭に記憶されているのです。この現象と同じように、物事を判断する場合でも、プラス志向で判断します。つまり、儲けから判断するのです。ですから、儲けが2万円から1万円に減れば、更に減って無くなるのではないかと思い、利益確定を急いでしまうのですが、損の場合は違います。損というものは、儲けが無いということです。ですから、損が1万円から2万円になっても、儲けが無いということには、変わりありません。ですから、気にならずに損切りできないのです。ところが、損が全く気にならないものかと言えば、そうではありません。ある一定の限度を超えれば、急に存在感が大きくなるのです。自分の経験で考えてみて下さい。2、3万円の損は気にならなくても、10万円の損は気になるのではないでしょうか。その理由は、含み損が、自分の一取引の儲けの目標額と同じになると、急に儲けとの差引を計算するからです。目標が10万円であれば、10万円の含み損になると、一度の儲けが吹っ飛ぶと思い、それを超えると、一度の儲けでは挽回できないと、急に弱気になるのです。ですから、この期に及んで、損切りを決意し、実行するのです。最初から、損切りしていれば、2、3万円の損で済んだものを、ついつい楽観してしまうが故に、12、3万円の損に拡大させたのです。こうなると、勝率5割でも、儲けることはできません。通算で儲けるためには、やはり、損を拡大させないことが大事なのです。

 また、同様に、せっかくの儲けのチャンスを捕まえても、同じです。いくら有望な銘柄を発掘していても、相場の雰囲気や感情に流されて、現実に仕込みできなければ、儲けることはできません。チャンスと思いつつも、更に一段落ちがあるのではないかと疑い、仕込めないということは良くあります。ですから、損切りや銘柄選択が、現実にできるかどうかが、実際の儲けに関わってくるのです。あのとき切っておけば良かった、あのとき仕込んでおけば良かったという後悔は、誰にでも、幾度と無くあるはずです。その後悔を減らすことが、儲けるためには必要なのです。

 相場の動きに合わせて投資するということは、相場の状況把握をした後、リスクの少ない銘柄を選択して仕込み、様々な理由で思惑が外れたら即座に損切りする。また、これらの行動を適時に行なう為に、常日頃から資金管理に気をつけるということが必要になります。この前提条件が満たされなければ、いくら相場の流れに応じた投資を組み立てたとしても、儲けというものを手にすることはできません。

 そして、ここでの教訓は、相場の動きに応じた投資をするためには、まず、この四条件を自分のものにしなければならないということです。まだ、手中に入れていないという方は、再度、「入門篇」から読み直して、自分のものにして下さい。そうしなければ、投資を組み立てることはできません。株式市場は、日本が資本主義国家である限り、無くなりません。今を慌てるよりも、余裕をもって始めた方が、成功します。


コーナートップへ戻る

トップページへ戻る


 本サイトは、個人的な経験及び考えに基づいて構成されていますので、その内容において、正確性、信頼性および利益性を保証するものではありません。ですから、原因のいかんに関わらず、当方では、一切の責任を負いません。また、本サイトの情報に基づいて行った投資行為その他の損害についても、一切の責任を負いません。投資その他の行為については、自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。投資の最終判断、最終責任は、全てご自身でお願いします。