第五篇 兵勢
☆☆☆相場の動きとタイミング(休むも相場)☆☆☆



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第1節 相場の動きに合わす為の4条件
第45回 状況把握

 前回は、第一条件として、資金管理の大切さについて説明しました。少しは心当たりがある方が、居られるのではないでしょうか。今回は、第二条件として、状況把握について説明したいと思います。孫子は、

「多くの将兵を戦わせているのに、少ない将兵を戦わせるように、臨機応変に動かせるのは、指揮系統(目に見える信号や耳に聞こえる信号を整備すること)の問題である。」

と、しています。これを株式投資に置き換えると、

「多額の資金を運用しているのに、少額の資金で運用しているように、臨機応変に動かすことができるのは、状況把握の問題である。」

 になると思います。多くの資金で投資をしていても、少ない資金で投資しているのと同じように臨機応変にできるのは、状況把握が問題無くできているからです。状況把握が出来ていないと、相場状況の急変に対処できません。株式相場は、資本主義社会の縮図と言われるぐらい、ありとあらゆる事象に影響されます。これらの変化に対応することができずに、仕込み時の目標設定を堅持してしまっては、投資効率は悪くなりますし、状況が良くなっているのに、当初の目標で撤退してしまっては、儲けが少なくなってしまいます。また、状況が悪くなっているのに、当初の損切り値まで持続してしまっては、損が大きくなってしまいます。その上、仕込み金額が、器量にそぐわない場合なども、同じような過ちを犯してしまいます。このように、状況把握ができなければ、資金管理の問題と同様に、儲けが半減することになってしまいます。

そこでいかに状況を把握するかですが、まず、それは、自分の規準となる指標を作ることです。何でも良いです。騰落レシオでも、RSIでも、ストキャスティックスでも、何でも良いのです。そして、その規準指標を毎日更新して、一定数のデータを集めます。そして、その集めたデータから、過去の状況を分析するのです。底と天井を見定めた後、その前後の動きを確認します。また、相場が急変した動きも確認します。その一つ、一つのデータの積み重ねが、状況を把握するための材料となります。1つの指標で判断しきれなければ、他の指標と併せても良いのです。そして、これらの過去のデータを参考にして、未来の動きを予測するのです。その予測の中で、臨機応変に対処するのです。ただ、騰がっているというだけで持続するのではなく、その後の反落場面を予測するのです。そして、その反落場面に至らない間は、持続するということなのです。

 ところで、相場に注ぎ込む資金量は、人それぞれで異なります。また、対応できる資金量も、人それぞれで異なります。対応できる資金量というものは、あなた自身が、冷静に判断できる資金量のことです。この量は、大き過ぎても、小さ過ぎてもダメなのです。何故なら、大き過ぎれば、ちょっとした下落でも、損失額の大きさから、冷静に判断できなくなり、小さ過ぎれば、損が麻痺するからです。例えば、いつも100万円で仕込みしている人が、自信があるからと言って、500万円で仕込みしたとします。1,000円の銘柄を5,000株仕込んだとします。いつもの仕込み額の5倍です。この銘柄が、1,000円から1,050円になり、1,020円に調整した後、1,100円までなったとします。いつもでしたら、100万円が105万円になり、102万円に押した後、110万円で利益確定となります。ところが5,000株ですと、500万円が525万円になり、510万円に押した後、550万円です。あなたは、550万円まで仕込みを維持できるでしょうか。私にはできません。いつも、10万円の利益で満足していたのですから、少なくとも、1,050円から1,020円に調整する段階で、利益確定してしまいます。そうなると、最も効率の良い1,020円から1,100円の動きを見逃すことになってしまいます。確かに、期間が短いことを考えれば問題ないことかもしれません。当初から、1,000円から1,050円の動きを取るつもりであれば、問題ないでしょう。しかし、自分の投資方法で、いつもと同じように、1,100円まで取るつもりでいたのなら問題です。いつもと同じ方法ができない、つまり、仕込み額にビビッて、冷静な判断ができていないのです。また同様に、自信が余り無いからと言って、20万円で仕込みしたとします。1,000円の銘柄を200株仕込んだとします。いつもの仕込み額の1/5です。この銘柄の値動きが先ほどと同じで、1,100円の後、ゆっくりと900円になったとします。いつもなら、当然、1,100円で利益確定してしまいます。ところが200株ですと、20万円が21万円になり、20.4万円に押した後、22万円となり、最後には18万円です。あなたは、22万円まで利益確定できるでしょうか。私にはできません。いつも、10万円の利益で満足していたのですから、少なくとも、1,100円では満足できずに、もっと上を目指そうとします。その結果、騰がってくれれば良いのですが、例のように下げてしまえば、折角の利益も水の泡です。これは、資金量が、状況判断を狂わすことの実例です。いくら状況判断できるようになっても、自分でぶち壊していては、何の意味もありません。

 このように、状況把握が的確にできなければ、儲けを減らしたり、損を出したりしてしまいます。それを防ぐためには、やはり、事前に状況を分析して、臨機応変な行動を取れる下準備をしておかなければなりません。事前に予測さえしていれば、その予測が現実のものとなったときに、慌てる必要が無いからです。そのためにも、まず、基準となる指標が必要なのです。指標なしに株式投資に臨むことは、羅針盤を持っていなかったルネッサンス前の航海のようなものです。大きな危険がつきまとい、成功するかどうかは、神のみぞ知るという扱いでした。こういう前近代的な状況に陥らないために、指標を基準とした状況判断が必要なのです。

 そして、ここでの教訓は、自分の基準を作って、相場の状況を判断するということです。判断せずに闇雲に突っ走るのは、冒険家であって、実業家ではありません。我々は、スリルや名誉を求める冒険家ではありません。実利を求める実業家であるはずです。ですから、普通に考えれば、この指標は大変重要なものと言えます。


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