第四篇 軍争
☆☆☆無理せず、損をしないこと☆☆☆



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第4節 損しないための状況把握と仕込み
第42回 勝算を知るための5段階判断方法

 これまで、損しないための投資方法について説明して来ました。儲けるためには、儲けやすいよりも、損し難いということの方が重要なのです。そこで今回は、損しないために、状況把握から仕込みまでの、一連の事柄について説明したいと思います。孫子は、

 「昔からの兵法には次のように述べられている。最初に『度(物差しで測る)』、次に『量(升目で量る)』、その次に『数(数え計る)』、そして『称(比べ計る)』、最後に『勝(勝率を諮る)』であると。まず戦場の地形から、広さや距離という『度』の問題を考えなければならない。そして、『度』の結果を受けて、投入すべき物資という『量』の問題を考えなければならない。それから、『量』の結果を受けて、動員すべき兵力という『数』の問題を考えなければならない。その上で、『数』の結果を受けて、敵軍と比較するという『称』の問題を考えなければならない。最後に、『称』の結果を受けて、勝敗という『勝』の問題を考えなければならない。だからこそ必勝の軍は、重い鎰で軽い銖と重さ比べをするように優勢であり、必敗の軍は、軽い銖で重い鎰と重さ比べをするよう劣勢なのである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「昔からの投資方法には、次のように述べられている。最初に『度(物差しで測る)』、次に『量(升目で量る)』、その次に『数(数え計る)』、そして『称(比べ計る)』、最後に『勝(勝率を諮る)』であると。まず、相場の環境から、良し悪しという『度』の問題を考えなければならない。そして、『度』の結果を受けて、投入すべき資金という『量』の問題を考えなければならない。それから、『量』の結果を受けて、仕込める株数という『数』の問題を考えなければならない。その上で、『数』の結果を受けて、過去と比較するという『称』の問題を考えなければならない。最後に、『称』の結果を受けて、勝敗という『勝』の問題を考えなければならない。だからこそ、必ず成功する投資は、重い鉛で軽い羽毛と重さ比べをするように優勢であり、必ず失敗する投資は、軽い羽毛で重い鉛と重さ比べをするよう劣勢なのである。」

 になると思います。昔から用いられている一般的な方法として、次の「5段階判断方法」というのがあります。参考までに、ここで紹介しておきます。

 その「5段階投資方法」というのは、投資するか否かを判断するのに、5つの段階に分けて判断する方法です。その5つの段階とは、「状況把握」、「投入資金」、「購入株数」、「目標価格」「成功率」です。
 状況把握 〜 相場の状況が、損し難い相場であるかどうかを判断します。
 投入資金 〜 相場のレベルから、リスクが取れる投入資金を決定します。
 購入株数 〜 投入資金の多寡から、購入する株数を決定します。
 目標価格 〜 相場の状況と購入株数から、仕込み、目標、損切りという目標とする価格を決定します。
 成 功 率 〜 目標価格から、再度、勝算し、勝算が高ければ仕込みします。


 まずは相場の環境や状態を分析し、仕込みに適しているかどうかを判断します。状況が、損し難いと判断できれば次の段階に進みますが、できなければ仕込みは諦めます。これが「状況把握」の問題です。儲け易いよりも、損し難いという観点から判断し、リスクはどうなのか、仕込みに適した銘柄があるのか、等々を確認します。

 次に、仕込みしても良い状況だと判断した場合は、いくらの資金で仕込みするかということになります。仕込みしても良い状況といっても、そのレベルは広いはずです。仕込めば何でも儲かるような総花的な状況から、一部の仕手的な銘柄のみが儲かるという状況まで、色々あります。当然、この状況に合わせて、投入資金は増減します。リスクが少なければそれこそ全額を注ぎ込んでも構いませんが、リスクが大きければ、全額を注ぎ込むのはただのアホです。リスクの度合いを見て、金額を決定することになります。これが「投入資金」の問題です。損するリスクから投入資金を判断し、全資金の何割で仕込むかを決定します。

 そして、金額が決まれば、それによって購入できる株数が決まります。これが「購入株数」の問題です。1株あたりの価格と単元株数によって、投入資金で買える最大数を購入することになります。ですら、1単元が仕込み金額より大きければ、当然、仕込むことができません。無理して仕込むよりも、他に多くの銘柄があるのですから、他の銘柄を探せば良い訳です。

 更に、株数が決まれば、仕込み価格、目標価格、損切り価格を決めることになります。これが「目標価格」の問題です。まず、現在の価格と相場状況から判断して、仕込み価格を決めます。当然、仕込み価格まで下げなかった場合は仕込みできませんが、それはそれで見送れば良いのです。次のチャンスを待てば良いのです。なぜなら、少なくとも仕込み価格を見誤った訳ですから、同様に、次に決めなければならない目標価格と損切り価格も見誤る可能性が高い訳です。そして、過去の値動きや材料等々を判断して、目標価格と損切り価格を決めます。これは、価格として決めなくても、移動平均線やRSI等のテクニカル指標で決めても結構です。ただし、言えることは、事前に決めておき、必ず実行するということです。特に損切り価格は、中途半端な決め方ではダメです。目標価格での失敗は、儲けを無くすだけですが、損切り価格の失敗は、損を大きくしてしまうからです。

 最後に、目標価格が決まれば、成功する確率と失敗する確率の見通しを立てます。これが「成功率」の問題です。これまで定めた4条件を確認し、成功率を推定するのです。そして、成功率が低いと判断したときは、再度条件を決め直すことになります。やはり、この段階で成功率は、75%以上は欲しいものです。

 このように見通しを立て、成功率が高いとなって、初めて仕込みをするのです。ですから、必ず成功する投資というものは、鉄筋コンクリートの橋を渡るように安全です。それに比べて、必ず失敗する投資というものは、細い丸太の橋を渡るように危険なものなのです。ですから、昔から、「必ず成功する投資というものは、重い鉛で軽い羽毛と重さ比べをするように圧倒的であり、必ず失敗する投資は、軽い羽毛で重い鉛と重さ比べをするように無意味なのである。」と言われているのです。

 ここまで慎重に判断して仕込みをするのですから、それこそ、高い確率で成功することができます。だから、必ず成功すると言われるほど、成功率が高いのです。それに対して、このような判断に基づかずに仕込みした場合は、何を基準として成功すると考えるのでしょうか。事前に成功するかどうかの見通しは、経験則から判断するしかありません。経験則から判断するにしても、判断基準が無ければどうしようもありません。これらの条件は、判断基準として利用するのです。ですから、最初は、例え失敗しても良いのです。その失敗を冷静に分析し、どこに無理があったかを確認するのです。そうすれば、自ずと失敗は減ってくるはずです。

 そこでここでの教訓は、事前に成功率を計算し、高いときだけ仕込をすると言うことです。そして、経験を積むためにも、事前に成功率を探る作業を行うと言う事です。この作業をするからこそ、自分の考えを客観的に蓄積する事ができ、後に経験として活用する事ができる訳です。


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