第四篇 軍争
☆☆☆無理せず、損をしないこと☆☆☆



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第3節 投資方法の確立
第41回 投資方法の確立

 前節までで、儲ける投資よりも、損しない投資が重要だということを理解して頂けたと思います。そして、損しない投資方法の確立が、儲けへの近道ということも、判って頂けたと思います。そこで今回は、それらを補足する意味で、投資方法を確立させるための内的条件、つまり、投資家自身の精神的な部分を説明したいと思います。孫子は、

 「名将と言われる人たちは、必ず軍の意識を一つに統一し、軍紀を厳守させるのである。だからこそ、勝敗を自由に決することができるのである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「名投資家と言われる人達は、必ず意識を統一して、自分の投資方法を厳守したのである。だからこそ、成否を自由に決することができるのである。」

 になると思います。名投資家が採用した投資方法で心理的な部分は、たった2点しかありません。それは、意識の統一と方法の厳守です。

 意識、つまり、騰がる、下がるに対する方向性です。この銘柄は騰がると考えるのか、下がると考えるのか、騰がって欲しいと思うのか、下がって欲しいと思うのかです。騰がる、下がるは客観的な判断であり、騰がって欲しい、下がって欲しいは主観的な判断です。株式投資では、主観的な判断は厳禁であり、客観的な判断が求められます。ところが、往々にして、投資家は主観的になり、意識が統一できなくなります。例えば、下がると考えつつ、騰がって欲しいと思い、損切りできなかったり、騰がると考えつつ、下がって欲しいと思い、仕込みできなかったりします。これでは、損が拡大し、有望銘柄の仕込みはできません。大きく損をして、儲けが少ないとなれば、どうして全体で儲けることができるのでしょうか。このように、銘柄の動きに迷い、意識統一できなかったら、儲けることが出来ないのです。ですから、このようなときは、儲けようとせずに、損を拡大させないという観点から、全て撤退するべきなのです。意識に迷いが生じ、判断がつかなくなれば、多少の損はお構い無しに、撤退するのです。そうすれば、相場から一定の距離が生じ、判断に客観性が生じ、再度、意識を統一することが容易になるからです。

 また、同様のことは、投資方法の厳守にも当て嵌まります。自分で確立させた投資方法というものは、損しないために編み出したものです。ところが、その運用方法が軌道に乗ると、新しい、より儲かるような運用方法を探そうとします。それが探究心から出たものなら良いのですが、もっと儲けてやろうという欲望の発露であれば、気をつけなければなりません。それは、欲望というものは、全てを押し潰す存在だからです。例え確立された投資方法でも、欲望の前では無力です。欲望により、例外を作り出し、投資方法を守らなくなるからです。折角、儲かる投資方法を作り出せても、それを守らなければ、儲けなど一瞬にして吹き飛んでしまいます。

 ですから、名投資家は、特にこの2点に注意するのです。この2点は、投資をする上では最もしてはならないことであり、失敗の原因となるからです。このことに注意しているからこそ、名投資家は、投資の成功と失敗を、自由に決めることができるのです。

 そこでここでの教訓は、欲望という投資家の敵から身を守るためには、欲望に攻められたときは、抵抗せずに撤退することです。欲望に打ち勝てるほど、人格的に完成されていれば、既に大きく儲けられているはずです。ですから、儲けが小さければ小さいほど、欲深くなってはならないのです。欲望を抑えるのは、並大抵の気力では無理ですが、逃げることはできます。ですから、勝算の無い戦いをするのではなく、欲望に対しては、「逃げるが勝ち。」のスタンスで臨むのです。


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