第四篇 軍争
☆☆☆無理せず、損をしないこと☆☆☆



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第1節 損をしないことが最重要条件
第37回 損切りと仕込み

 前回、儲けるためには、儲けを極めようとするのではなく、損を極めようとしなければならないことを書きました。今回は、その極め方について説明したいと思います。孫子は、

 「敗北しないというのは防御に関することであり、勝利するというのは攻撃に関することである。だから不敗の名将と言われる人達は、地中深くに潜むように防御し、常勝の英雄と言われる人達は、空高く飛び回るように自由自在に攻撃するのである。だから、自軍の兵力を損耗させることなく、完全な勝利を収めることができるのである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「損失を出さないというのは損切りに関することであり、利益を出すというのは仕込みに関することである。だから、決して損しない投資家達は、名刀の切れ味のように瞬時に判断して損切りし、必ず儲けられる投資家達は、筍を掘るように儲かりそうな銘柄を仕込むのである。だから、資金を損耗させることなく、完全な成功を手にすることができるのである。」

 になると思います。損を極めるというのは、詰まるところ、損をしないということになります。そこで、損をしないというのはどういうことかと考えると、仕込みをしないことと、仕込んでも損が出る前に撤退する、つまり、損切りを厳格にするということになります。仕込みをしないことは、誰にでも簡単にできます。仕込まなければ良いのです。中毒患者のように、仕込んでいなければ気分が悪いという方は別でしょうが。問題となるのは、損が出る前に撤退するということです。これは、以前にも触れましたが、仕込んだ直後から反落する場合は別として、一度は上げた銘柄であれば、買値を下回る前に切るということは可能です。その切り方も、反落したから切るというのではなく反落しそうだから切るということです。反落しそうと感じるのは、値動きが悪くなったとか、出来高が減ってきたとか、色々あると思いますが、どんな場合でも、嫌な感じがしたら切るということです。ところで、切った後に大きく上昇したという経験は、誰にでもあると思います。その苦い経験に振り回されて、なかなかシビアに切れないという方が多いと思います。しかし、これは、やはり、株式投資は儲けること、という考えがあるからではないでしょうか。株式投資は損しないことという考えに立てば、損はしていないのですから、簡単に切れるはずではないでしょうか。また、反落しそうと感じるためには、過去の値動きや、相場状況等を、仕込む前に理解し、予測を立てるという行為が必要となります。ただ何となくという感じで仕込むから、反落時に欲が邪魔をして切れなかったり、大した調整でもないのに切ってしまったりするのです。

 儲けを極めるということは、不可能です。儲けというのは、仕込みによって生み出されるものです。何度も説明するように、儲けは他人任せです。仕込んだ銘柄を、誰かが、それ以上の高値で買ってくれなければならないからです。他人の犠牲の上に、株式投資の儲けがあることを考えると、それを極める、つまり、百発百中を目指すのは不可能ということは、わかって頂けると思います。しかし、百発九十中程度なら、目指すことは可能です。百発九十中にするためには、やはり、下値不安の少ない状況で、下値不安の小さい銘柄を仕込むということになります。そのためには、相場状況、買われているセクター、買われている理由等を詳細に分析し、初動にある銘柄や、これから動きそうな銘柄を選ぶ目を養うことです。今、上げている銘柄も大事ですが、これから上げそうな銘柄の方が、もっと大事なのです。 ですから、決して損をしない投資家達は、それこそ、名刀の切れ味のような鋭い感覚で、値動きを判断して見切りをつけます。思ったほど勢いが無かったり、状況が急変したりした場合には、躊躇無く撤退します。ですから、損が出る前に撤退することができるのです。例え、持続していれば儲かっていた場合でも、悔いることはしません。なぜなら、撤退を判断したのはリスクが増えたからであり、思惑が外れたからではないからです。思惑が外れてからの撤退では遅すぎるのです。また、必ず儲けられる投資家達は、それこそ、筍を掘るように儲かりそうな銘柄を仕込みます。筍は、地上に頭を出してから掘っていたのでは遅すぎます。地上に頭を出すか、出さないかの状態、つまり、地表が微かに盛り上がっている状態のときに掘るのです。これが一番美味しい筍なのです。これと同じように、一般人には殆ど見えない前兆を見付け、人より早く仕込みをするのです。ですから、仕込んだ銘柄の一番美味しい部分を、一番儲けられるところを取ることができるのです。

 ところで、今の説明を理解して頂ければ、損しないことが儲けに繋がるということがわかって頂けたと思います。そうです。百発百中が有り得ない中で、百発九十中を目指しても、外れた十発次第で、儲けが変わるということです。つまり、いくら九十発で大儲けしていても、残りの十発で、それを上回る大損をしていては、儲けはないのです。また、例え値上がりする銘柄を仕込みできても、撤退するタイミングを逸すれば、儲けは無くなるのです。未来永劫、買値を上回っていることは有り得ません。いつかは反落するのです。ですから、やはり、損を極めてこそ、儲けが見えてくるのです。

 これでわかって頂けたと思います。儲けようとせずに、損しないでおこうという意思で相場に参加すれば、大きく損することはありません。反対に、儲けてやろうという意思で相場に参加すれば、儲かる以上に、大損してしまうことがよくあります。ですから、損を限定するために、損をしない投資を心掛けるのです。損をしない投資というのは、結局のところ、資金を損耗させることが無いのですから、その先には、完全な成功が待っているのです。それを手に入れられるかどうかは、この「損をしない投資」を理解し、実践できるかに、かかっているのです。

 そして、ここでの教訓は、損しないでおこうというのは、消極的という意味ではないということです。管理できない儲けの管理を試みるよりも、管理できるものを管理しようとする、より現実的な投資をしようとすることだと考えて下さい。この世界、儲ける者が勝者であって、損する者が敗者です。格好がどうあれ、儲けた者が勝ちです。ですから、「儲け=損しない」の図式を、胸に深く、刻み込んでください。


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