第四篇 軍争
☆☆☆無理せず、損をしないこと☆☆☆



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第1節 損をしないことが最重要条件
第36回 必ず儲けられるとは限らない

 前回、儲けは相場任せであるが、損は投資家自身の問題であるということを説明しました。今回は、更に一歩踏み込んで、不敗と常勝について説明したいと思います。孫子は、

 「だから、例え名将であっても、不敗の戦いをすることはできても、常勝の戦いをすることはできないのである。『勝利することはわかっていても、必ずそれを成し遂げられるかどうかは分からない。』と言われる所以である。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「だから、例えどんな名投資家であっても、絶対に損失を出さない投資をすることができても、絶対に利益を得られる投資をすることができないのである。『成功することはわかっていても、必ずそれを成し遂げられるかどうかは分からない。』と言われる所以である。」

 になると思います。株式投資をするに当たって、みなさんは、いかに儲けてやろうかと考えているのではないでしょうか。株式投資というものは、儲けるためにやっているのですから、その行為は間違っていないと思います。しかし、ちょっとここで考えてみて下さい。よく、身の回りに、いつも、儲かる銘柄は無いか、騰がる銘柄は無いかと、探している人は居ませんか。そして、このような人たちは、儲かっていると思いますか。心当たりのある人は、みんな、そんな人は儲かっていないと言い切るでしょう。そこで、また考えてみて下さい。その人たちは、儲かる銘柄、騰がる銘柄を全く知らずに儲かっていないのでしょうか、それとも、知っていても儲かっていないのでしょうか。私は、知っていても儲かっていないのだと思います。

 前回説明したとおり、株価の動きと言うものは、他人任せです。ですから、儲かる銘柄、騰がる銘柄についても、その結果は全て、他人任せということになってしまいます。確かに、数百億円の資金を持っていて、損失覚悟で、1つの銘柄に注ぎ込めば、支配できるかもしれません。しかし、それが何の役に立つというのでしょうか。話は逸れましたが、申し上げたいことは、いくら有能な人であっても、他人が動かすことを、完璧に予測することはできません。同様に、相場の動きを支配することはできません。それは、他人の内心を支配できないことと同じです。相場は投資家の意思の総体ですから、表面上の動きは知りえても、その内に潜む多くの投資家の意思を知ることはできません。ですから、例え儲かる銘柄だと教えられても、その言葉を100%担保されることは、決してありません。突然の大きな悪材料により、売られる可能性があるからです。ですから、いくら極めようとしても、儲けというものを支配することはできないのです。

 ところが、儲けは支配できませんが、損というものは支配できるのです。前回説明しましたように、損というものは、仕込みの状態のときだけ発生しますので、仕込みさえしていなければ、損は発生しないのです。確かに、情報料等の経費はかかりますが、一度の儲けで十二分に回収することができることでしょう。ですから、損しそうと思えば、撤退すれば良いのです。仕込んでいる銘柄を全て売り、現金に変えれば良いのです。損する前に撤退すれば、損はしませんし、損してからでも撤退すれば、それ以上損は拡大しません。ですから、まず、自分の損を支配するところから、投資の方法を組み立てれば良いのです。いかに損しないか、いかに損を減らすかから始めれば良いのです。

 だから、例えどんな名投資家であっても、絶対に損をしない投資をすることはできても、絶対に儲けられる投資をすることができないのです。これについては昔から、『成功することはわかっていても、必ずそれを成し遂げられるかどうかは分からない。』と言われるのと同じなのです。多くの投資家は、決して手の届かない儲けというものを支配しようとします。決して手が届かないのですから、いくら努力しても、極められるものではありません。そして、そのうちに、損を積み重ねて、株式市場を去ることになってしまいます。損を支配できれば、少なくとも、株式市場から去るようなことにはなりません。損と儲けは、表裏一体の存在ですが、全く別物と考えて下さい。そうすれば、損をしないということの延長線上に、儲けが転がっていることがわかると思います。

 そして、ここでの教訓は、儲けを意識するのではなく、損をしないということを意識して、投資方法を組み立てるべきだということです。支配できる損を極めてこそ、儲けに繋がるということを理解することです。損が無くなれば、後は、損得無しと儲けしかありません。このことを肝に銘じて、投資に臨んでください。


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