第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第5節 成功するためのリスク管理の条件
第34回 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず

 今回が、第3篇の最終回となり、「孫子」の総論部分の最後となります。つまり、まとめ中のまとめであり、「孫子」でも、最重要項目の一つとなっています。よく、よく、読み込んでください。孫子は、

 「 だから私は言うのである。『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。(敵の実力を見極め、己の力を客観的に判断して敵と戦えば、100戦したところで危機に陥るようなことはない。)敵の実力を見極めようとせず、己の力だけを客観的に判断して敵と戦えば、勝つか負けるかはわからない。敵の実力を見極めようとせず、己の力すら客観的に判断できないで敵と戦えば、戦う度に危機に陥るであろう。』」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「だから昔から言われているのである。『相場の状況を見極め、自分自身の能力を客観的に判断して投資に臨めば、100回仕込みしたところで危機に陥るようなことはない。(敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。)相場の状況を見極めようとせず、自分自身の能力を客観的に判断して投資に臨めば、成功するかどうかは五分五分である。相場の状況を見極めようとせず、自分自身の能力すら客観的に判断できないで投資に臨めば、仕込む度に危機に陥るであろう。』」

 になると思います。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。」は、数ある孫子の名言の中でも、名言中の名言と言えます。敵の状況や実力を正確に把握し、味方の状況や実力も正確に把握した後、種々の条件を比較検討して、勝算が高いとなったときのみ戦えば、何回戦おうが、危険に陥ることは無いということです。つまり、戦う前から勝っているという状態を作り出してから戦え、ということです。みなさんは、この一文を読んで、どのように思われたでしょうか。

 みなさんが仕込みをするとき、相場の状況をどれだけ見極めているでしょうか。例えば、相場全体は、これから上げていくのか、下げていくのか、上げるとしたら期間は、値幅はどうでしょうか。また、この相場に潜むリスク要因は。例えば、金利上昇や円高などはどうでしょうか。同様に、仕込みをしようとする銘柄についてはどうでしょうか。このあたりを明確に計算して仕込みに臨んでいるでしょうか。ただ単に上げそうだという感じで、仕込みしているのであれば、相場を知ったことにはなりません。 なぜ、ここまで細かく分析する必要があるのかと思われるでしょう。これは、相場の質を明確にすることにより、後の分析を容易にするために必要なものなのです。仕込みには、成功と失敗はつきものです。株式投資に成功するためには、この仕込みの失敗の回数と値幅を、いかに小さくするかに因ります。そのために、失敗した場合は、特に、失敗の原因を探求するという行為が大事になるのです。どうして仕込もうと判断したのか。そして、その判断の何処が間違っていたのか。どうして間違えたのか。などを考察することにより、次の仕込みでは同じ失敗は繰り返さなくなるはずです。相場を知ることにより、この探求は容易になります。何故仕込もうとしたのかという最初の判断を明確にしていれば、その間違いも明確なはずです。ところが、ただ単に騰がると思って・・・、等という仕込みでは、どこが間違っていたのか、後から理論的に解明することができません。そうなると、この仕込みの失敗は、何の役にも立たないということになります。失敗から教訓を得ることができません。儲けられない投資家は、いつも同じ失敗を繰り返しています。つまり、繰り返す原因は、ここにあるのです。

 また、みなさんは、どれだけ自分の「能力」を自覚できているのでしょうか。自分の「能力」の見積もりは、過大であっても、過小であってもいけません。適度でなければならないのです。「能力」の見積もりが過大であれば、できもしない手法や銘柄に手を出して、大損します。過小であれば、せっかくのチャンスを生かすことができず、時の利益というものを失ってしまいます。そして、「能力」が上昇するに従って、その上昇を正確に把握し、方法も変更していかなければなりません。「能力」が高まったのに、いつまでも効率の低い方法に止まっていては、折角の高い「能力」も活用されず、チャンスを十二分に生かせないからです。

 株式投資で成功するために重要なのは、この「既に成功できている」という状態を作り出すことです。そのために、相場を知り、己を知るということが必要となります。ですから、昔からこのように言われています。
 @ 相場の状況を見極め、自分自身の能力を客観的に判断して投資に臨めば、100回仕込みしたところで危機に陥るようなことはない。
 A 相場の状況を見極めようとせず、自分自身の能力を客観的に判断して投資に臨めば、成功するかどうかは五分五分である。
 B 相場の状況を見極めようとせず、自分自身の能力すら客観的に判断できないで投資に臨めば、仕込む度に危機に陥るであろう。


 株式投資の成功の秘訣は、自分自身との戦いに勝つということです。多くの人は、自分自身のことはわかるはずですが、本当に理解できているかは疑問です。この甘い日本社会では、没個性主義により、自分を自覚する必要が無いからです。「能力」を自覚する必要が無いからです。孫武は、相手のことは分からなくても、自分のことはわかるだろうと思ったようですが、今の日本人は、果たしてそうでしょうか。

 そこで、ここでの教訓は、「相場の状況を見極め、自分自身の能力を客観的に判断して投資に臨めば、100回仕込みしたところで危機に陥るようなことはない。」という一言に尽きます。ここでの教訓というよりは、これまで説明してきたものの全ての教訓といえるでしょう。みなさん、この言葉を噛み締めて、その深意を覗いて下さい。そうすれば、必ず成功できると思います。


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