第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第5節 成功するためのリスク管理の条件
第33回 5つのリスク管理

 前節までに、株式投資をする上で必要となるリスク管理を説明しました。リスクの少ない投資方法、リスクを限定するための資金管理、自己の中に潜むリスク、そして順張りの重要性がそれです。本節は、第3章のまとめとなりますので、これらのことを再度、簡単に説明しようと思います。孫子は、

 「以上のことをまとめると、次の5つの条件を知っている者が、勝利を収めるのである。まず、戦うべき時とそうでない時を知っている者が勝つ。次に、多勢と無勢の用い方を知っている者が勝つ。そして、将軍から兵士までが心を一つにしていれば勝つ。それから、よく準備をして準備をしていない敵と戦えば勝つ。最後に、主君が名将を用いて、軍に干渉しなければ勝つ。これら5つの条件が、勝利を知る者への道である。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「以上のことをまとめると、次の5つの条件を知っている者が、成功を収めるのである。まず、仕込んでも良い時期とそうでない時期を知っている者が成功する。次に、銘柄によって資金の投入量の違いを知っている者が成功する。そして、欲望を自制して、寡欲を心掛けている者が成功する。それから、日頃からよく研究している者が成功する。最後に、自分の能力をよく理解している者が成功する。これら5つの条件が、成功を知る者への道である。」

 になると思います。つまり、この篇で書いて来たことをまとめますと、次の5つの条件を実践できている者が成功するということになります。つまり、リスクの少ない投資方法は、次の5つの条件をマスターすることによって出来上がると言えます。
 @ 仕込んでも良い時期とそうでない時期を知っている者が成功する。
 A 銘柄によって資金の投入量の違いを知っている者が成功する。
 B 欲望を自制して、寡欲を心掛けている者が成功する。
 C 日頃からよく研究している者が成功する。
 D 自分の能力をよく理解している者が成功する。


 これらのことは非常に大事ですので、ここで、再度、説明しますと、1つ目は、トレンドを理解して、仕込んでも良い時期とそうでない時期を知っている投資家が成功するということです。トレンドに順張りするということが大事です。そうなると、逆張りになる時期は、仕込んではならないということになります。つまり、株式投資というものは、いつも仕込んでいるのが良いと言う訳ではなく、「休むも相場」という格言を考えなければなりません。攻めて良いときと、引かなければならないときとを、メリハリをつけて運用することが必要なことなのです。

 2つ目は、銘柄の個性の違いを認識して、その違いによって資金の投入量を変える投資家が成功するということです。銘柄は個性、つまり固有の条件によって、値動きやリスクの大きさが異なってきます。発行済み株式数、浮動株数、人気度、注目度等により左右されます。これを理解せずに一律に取り扱うと、値動きの激しい銘柄のリスクを制限できずに、大損することになってしまいます。このことに留意して、リスクを制限することが投資をする上で必要なことなのです。

 3つ目は、欲望に支配されない投資、客観的な投資を実践できる投資家が成功するということです。欲望が入ると、どうしても的確な判断が狂ってしまいます。もう天井だろうと判断しても、もしや上値があるのではと疑心暗鬼になったら、もう終わりです。例えその後に売ったとしても、少なからず儲けを削られることになるため、それだけ失敗する確率が高くなります。成功する確率を高めるためには、やはり欲望を自制するよう心掛けることが必要なことなのです。

 4つ目は、日々研究する、弛まぬ努力を積み重ねる投資家が成功するということです。楽をして儲かることは、この世の中には絶対にありません。株式投資も、同じです。苦労に苦労を重ねた分だけ成功すると考えれば良いのです。楽をして儲けようと思った時点で、必ず失敗します。自分で確立した法則を日々研究し、勝率を高めていくという努力が必要なことなのです。

 最後の5つ目は、自分自身の能力、つまり自分自身の欠点を自覚している投資家が成功するということです。株式投資に必要な能力全てを備えている投資家など、一人もいません。皆、何かしらの欠点があるのです。それでも、成功している人は大勢います。それは、自分自身の欠点を自覚し、その欠点を補う形で投資方法を確立しているからです。逆に言えば、欠点を自覚できなければ、それを補う投資方法も確立できません。そうなると、いくら他人が成功した投資方法を真似してみても、成功する訳がありません。何故なら、欠点が人それぞれ違うからです。ですから、自分の欠点を自覚するということが、必要なことなのです。

 この5つの条件が、リスクの少ない投資方法を確立する為に必要な条件であり、これを備えてこそ、成功への第一歩を踏み出すことができるのです。つまり、これらの5つのリスクは、いつでも、どこでも、どの投資家にも、潜んでいる訳です。儲けられる投資家は、そのことを理解し、このリスクの排除方法を作り出しているということです。みなさんは、どうでしょうか。思い当たる節があるのではないでしょうか。つまり、ここだけの話ですが、失敗の原因は、これらのリスクに潜んでいる可能性が高いと言えます。どのリスクを回避できずに失敗したかを考え、次の仕込みでそのリスクを回避すれば、一歩、一歩、儲かる投資家へ近づいていると言えるのです。

 そこで、ここでの教訓は、5つのリスクを知り、それを回避するために、自分の仕込みの失敗を分析するということです。その結果を次の仕込みに役立てていけば、最後には、自分に潜むリスクの全てを回避できるはずです。中国人が歴史を大事にするのは、実は、この発想から来ているのです。全ての事象とその対処方法を記録し、その結果を考察すれば、次に同様の事象が生ずれば、判断を誤ることは無いという発想です。どうでしょう、みなさんも、この発想を試されてみては・・・。


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