第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第3節 個別銘柄のリスク管理
第30回 追撃買いでのリスク管理

 株式投資全体のリスク管理については、前回に述べましたが、今回は個別の具体的なリスク管理について述べたいと思います。そこで、例として、先の3つの推奨される投資方法の中で、最もリスクの高い追撃買いについて述べたいと思います。ただ、この方法は、追撃買いだけでなく、全ての仕込みに対して利用できますので、よく理解して下さい。孫子は、

 「次に野戦に突入した場合の戦い方として、敵の10倍の兵力であれば敵軍を包囲し、5倍の兵力であれば地形や態勢を整えて敵軍を攻め、2倍の兵力であれば敵軍を分断して各個撃破し、等しい兵力であれば堅陣を築いて敵軍の隙を待たなければならない。また、敵より少ない兵力であれば敵軍から逃げ、少なすぎれば見つからないように避けなければならない。何故なら、無理に寡兵で戦うことは、敵軍の捕虜になるのが関の山だからである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「そこで、リスクの高い追撃買いする場合の投資方法としてEFTであれば全額の資金で仕込みし、国債優良銘柄であれば1/2の資金で仕込みし、余り値動きの無い銘柄であれば1/5の資金で仕込みし、ある程度値動きが期待できる銘柄であれば1/10の資金で仕込みしなければならない。また、仕手銘柄であれば遊び程度の資金で仕込みし、解体銘柄であれば仕込みしてはならない。何故なら、大きな利益が期待できる銘柄は、大きな損失を被る可能性が高いからである。」

 になると思います。追撃買いというのは、リスクの少ない投資方法の中では、最もリスクが高い方法となっています。そこで、この方法自体で、更にリスクの制限をする必要性が出てきます。そして、そのリスクを制限する方法というものは、仕込み資金を増減させることです。
 全  額 〜 ETF(日経平均連動債、TOPIX連動債等)
 1 / 2 〜 国際優良銘柄(ソニー、トヨタ、京セラ、武田薬品等)
 1 / 5 〜 手垢のついていない銘柄(過去、それ程値動きしていない銘柄)
 1/10 〜 人気株、材料株(過去、大きく値動きしている銘柄)
 遊び程度 〜 仕手株
 手出無用 〜 解体株


 殆ど値動きの無いETFを投資対象としたときは、資金全額で仕込んでも良いということになります。ETFであれば、殆ど値動きは期待できませんから、仕込み額当たりの儲けが少なくなる反面、損も少ないからです。ちなみにETFとは、日経平均連動債やTOPIX連動債のことです。

 次に、国際優良銘柄であれば、総資金の半分で仕込んでも良いということになります。国際優良銘柄は、基本的にはETFと同じ動きをしますが、企業としての個性もありますので、その分ETF以上にリターンが大きくなる反面、リスクも大きくなるからです。代表的なものは、ソニー、トヨタ、京セラ、松下、武田薬品などでしょうか。

 そして、余り値動きの無い手垢のついていない銘柄であれば、総資金の1/5で仕込んでも良いということになります。手垢が無ければ戻り待ちや、いかがわしい輩が参加していないので、ある程度の安定性が期待できますが、国際優良銘柄ほどには期待できないことから、リスクが高いということになります。ただ、余り手垢がついていないということは、売買が少ないということを意味しています。ですから、例え資金の1/5だと言っても、自分の仕込みで値上がりするようなことをしていては、意味がありません。

 また、ある程度値動きが期待できる人気株や材料株のような銘柄であれば、総資金の1/10で仕込んでも良いということになります。追撃買いとしては、最も利用できる対象なのですが、材料の質や大きさ、そのときの相場状況によって左右される部分が大きいため、信頼性は乏しいと言わざるを得ません。そういう意味で、ハイリスク・ハイリターンを意識して扱うことになります。

 以上が追撃買いの対象となる銘柄ですが、対象とならないものとして、仕手株と解体株があります。仕手株であれば、ある程度、遊びの範囲でやることはできますが、解体株であれば決して仕込んではなりません。両方とも、落ちるときは売り場も無く落ちますが、解体株の方は、その落ち方がまさしく、断崖絶壁から飛び降りるようなものだからです。株だけでなく、自分も、断崖絶壁から飛び降りることになってしまっては、笑い話では済まされません。こういう意味で、これらは、余りに嵌ったときのリスクが大きいために、敢えて除外していると考えて貰えれば良いと思います。

 個別のリスク管理というのは、値動きの激しい、つまり、ハイリスク・ハイリターンな銘柄ほど、投入資金を減らすというものです。儲けを減らす代わりに、損も減らすというものです。なんだ、儲けが減るんじゃ意味が無いなどと思わないで下さい。実は、この投入資金を減らす投資方法が、最も効果的なのです。資金管理ができている人は、よく、一銘柄当たりの投入資金額を決めています。50万円とか、100万円とかいうのを良く聞きます。これは、投入資金として、自分が適正に判断できるレベルを知って決めているということです。この額が多過ぎれば、ちょっとした値下がりで右往左往してしまいますし、少な過ぎれば、得た利益に満足できないことになってしまいます。しかし、最も良いのは、投入資金を均一にするのではなく、リスクを均一にすることなのです。元々リスクが少ないのに、少額の資金しか投入しなければ、満足するだけの儲けが得られません。また、ハイリスクなのに、いつもと同じ資金を投入してしまっては、気付いたときには大損ということになりかねません。ですから、銘柄を研究して、いかにリスクが均一になるかを判断して仕込むのが良いのです。ただ、この方法の場合、この判断に、欲望が入らないかを気を付けなければなりません。ついつい、騰がりそうだと思い、ハイリスクの銘柄のリスク部分を小さく感じてしまうことは、素人には良くあることなのです。もし、客観的な判断ができなければ、できるようになるまでは、投入資金を均一にする方が良いでしょう。

 そこで、ここでの教訓は、ハイリスクな投資方法、または、ハイリスクな銘柄に対する投資については、投入資金を減らすと言うことです。リスクの多寡で投入資金を調整しないと、ハイリスクな銘柄のときに、大損させられてしまうということです。ただ、投入資金を判断するには、客観性が要求されます。騰がりそうという希望的観測に支配されては、リスク管理などできるはずもありません。


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