第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第2節 リスクの少ない投資の具体例
第28回 逆張りの怖ろしさ

 前回、リスクの少ない投資方法の王道として、3種類を紹介しました。今回は、前回申し上げた通り、絶対してはならない投資方法、つまり、急落銘柄の逆張りについて説明します。孫子は、

 「攻城戦というのは、止むを得ない場合に行なうものである。攻城戦用の道具や武器を製作するには3ヶ月程度の期間が必要であり、土塁等の建設には更に3ヶ月程度の期間が必要となる。将軍が、この準備期間を待つことができずに、無理に総攻撃をかければ、全軍の1/3を失っても、まだ城が落ちないという憂き目にあう。これは攻撃側にとって悲劇としか言いようが無い。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「逆張りというのは、どうしても仕込む銘柄が無いときに、遊びとして損失覚悟で行なうものなのである。シコリ玉を多く抱えている上に、出来高も減少傾向にある銘柄では、反転のタイミングを探るのが難しく、そのまま反転せずに続落する場合も多い。投資家が、このタイミングを掴めないで無理な仕込みをすれば、資金の1/3を失っても、まだ損切りできないという憂き目に遭う。これは投資家にとって悲劇としか言いようが無い。」

 になると思います。何故、それほど逆張りを目の敵にするのかと言えば、逆張りは、中長期投資の手法であって、短期投資の手法とは考えていないからです。逆張りというのは、そこで反騰すれば、非常に儲かる仕込み方法ですが、反騰せずに続落すれば、大損してしまいます。ですから、逆張りというのは、続落しても問題ないような投資方法でしか使用できないことになります。私の知る限り、続落しても問題ない、または、ある程度続落することを見越した仕込み方法というのは、中長期投資で用いる仕込みを分散する方法です。短期投資であれば、極少の損失でも嫌いますから、難平買いということはできません。しかし、中長期の投資であれば、難平買いを考えなければなりません。というのも、中長期的な投資と言うものは、外部環境に左右され易く、底値と判断できても、突発の事件や指標で、更に下値を探りに行くことがあるからです。そういう意味で、中長期投資は、順張りしているつもりでも、逆張りだったということが、往々にして有り得る訳です。

 しかし、短期投資は違います。今、その瞬間の動きを利用するのですから、材料だろうが、外部環境だろうが、気にすることではありません。騰がる銘柄には、更なる騰げを期待し、下がる銘柄には見向きもしないのが短期投資です。そういう意味で、短期投資は、銘柄を買うというのではなく、値動きを買うと言った方が良いのかもしれません。それなのに、短期投資でも、銘柄にこだわる人が殆どです。この間、急騰していたという理由で、反落中の銘柄を逆張りしてしまう人です。二匹目の泥鰌を狙おうと、上手く行けば、更に大きい泥鰌を狙おうとする欲張りな人です。例えば、1,000円の銘柄が急反落して800円になって来たとき、色々な指標や出来高を考えて、800円あたりで反発しそうだから、800円で仕込もうとします。ところが、800円では下げ止まらず、750円になり、そこから800円に戻り、850円、900円と反騰した場合、多くの方は、この逆張りは成功だったと思うでしょう。しかし、本当に成功するためには、これは失敗例となります。というのも、800円で仕込もうと思うならば、750円から反騰して800円になった段階で仕込むべきです。反落中の800円で仕込んでしまえば、今回は運良く750円で反騰したから良いようなものの、そのまま奈落の底へ続落することだって有り得た訳です。つまり、800円から750円になり、800円に戻る間に、取らなくて良いリスクを取っているのです。ですから、800円で仕込もうと思うならば、反騰してきた800円で仕込めば良いのです。ところが、多くの人は、この750円から反騰してきた800円では、逆に仕込めないと感じてしまいます。それは、750円を知っているがゆえに、反落したらどうしようと思ってしまうからです。そして、再度750円になれば仕込もうと考えます。実は、これは単なる安値覚えというものであり、損する投資方法の一つです。もっと言えば、750円まで再度売られれば、更なる安値があるのではないかと疑う、損する投資家の考えです。元々、800円で反騰するという判断に自信があるのであれば、反騰した800円で仕込むべきです。そもそも、反落中の800円で仕込もうとするという無謀にも匹敵する確信があるのに、何ゆえ反騰中の800円を仕込めないのでしょうか。それは、結局、感情に流されているからです。反落中であれば、下値が見えていませんから、勝手に下値は800円と思い込んでしまいます。これは、勝手な思い込みです。ところが、反騰中では、明確に下値が見えていますから、この安値に拘ってしまうのです。拘ってしまう、つまり、欲望に支配されているのです。欲望に支配された投資が成功すると思っているのでしょうか。

 ですから、無理して逆張りするのではなく、一呼吸おいて順張りするべきなのです。しかし、このことがわかっていても、それでも、どうしても逆張りしたいという衝動に駆られるときがあります。下落中相場の中で、順張りで仕込む銘柄が無いとき、つまり、本来であれば「休むも相場」の休みに当たる時期です。本当なら、ここは我慢のしどころです。しかし、その我慢ができなければ、損することを前提に、遊び程度の仕込みで終えておくべきです。反落中ということは、上値に多くのシコリ玉が戻り売りを狙っている上に、出来高も減少傾向にあるでしょうから、どうしても上値が重くなります。そうなると、反騰期間は短く、その値幅も小さく、下手をすれば反騰すらせずに、若干保ちあった後に続落することになるかもしれません。つまり、仕込みのタイミングが極端に難しいのです。投資家がこのことを理解せずに、欲望に駆られて無理に仕込みをしてしまうと、もうすぐ反騰するだろうと楽観視してしまい、ジリジリと損失を拡大させ、3割方の資金を失っても、まだ損切りできないということになってしまいます。これは、投資をする者にとっては、最悪の事態であり、絶対に避けなければならないことなのです。

 そこで、ここでの教訓は、何度も言うことですが、短期投資では逆張りはご法度ということです。それでも、どうしてもしたいというのであれば、損失覚悟で、遊び程度の資金で行なうべきです。そして、案の定、損したときは、自分はまだまだ欲望が制御できていないと自戒することです。


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