第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第2節 リスクの少ない投資の具体例
第27回 リスクの少ない3例

 第1節では、リスクを軽減するために、トレンドに対して順張りすることの必要性を説明しました。トレンドに沿った投資を心掛けることが、リスクを極端に減らすということを、具体的に説明したつもりですが、みなさんには、ご理解頂けたでしょうか。今回よりの第2節では、リスクの少ない投資の具体例について説明します。孫子は、

 「最良の策というのは、敵の謀略を看破して心理的ダメージを与えて降伏させることであり、次の策は、敵の外交関係を分断して孤立化させることにより降伏させることであり、その次の策は、敵軍を野戦で打ち破って降伏させることであり、攻城戦と言うのは下の下の策である。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「上策というのは、大きく売られ過ぎた銘柄の反転時を仕込むことであり、中策は、トレンドが反転した後の最初の押し目を仕込むことであり、下策は、大きく動いたところを追撃買いすることであり、反落場面で逆張りするのは下の下の策である。」

 になると思います。トレンドに順張りするというのは、理解できても、どのタイミングで仕込めば良いのかが、なかなか判らないと思います。例えトレンドに対して順張りしても、高値掴みをすれば、トレンド内での反落の危険性がありますし、トレンドを破られれば、奈落の底です。ですから、基本的に仕込むタイミングというのは、どうしても、トレンドの下限ということになります。

 そこで、最もリスクが少ない投資というものは、大きく売られ過ぎた銘柄の反転時を仕込むことです。俗に「突っ込み買いの吹き値売り。」と言われているものです。そもそも投資家の判断は、儲ける、損しないという一方通行の考えに基づいて、株式投資に臨んでいるのですから、その判断も一方通行になりがちです。株式の値動きは、この投資家の判断の集合体なのですから、同様に、一方通行になりがちになるのです。売られた銘柄は、往々にして売られ過ぎ、買われた銘柄は、往々にして買われ過ぎるのです。そして、この行き過ぎた株価は、熱が冷めると共に、適正価格に収束していきます。売られ過ぎた銘柄は買われ、買われ過ぎた銘柄は売られるのです。この適正価格に収束する動きに従って投資するのが、最もリスクが少ない投資と言えるのです。その理由は、売られ過ぎることによって、売りたい投資家は売り切っていますし、買われ過ぎることによって、買いたい投資家は買い切っていますので、それぞれ、売りも買いも極端に少ない状態の中で戻すのですから、需給要因が足を引っ張ることがありません。また、適正価格に戻るだけですから、新たな価格的歪みを求める訳でもないからです。

 そこで、大きく売られ過ぎたときというのは、どのようなときかと思われるでしょうが、個人的には次の条件が重なったときとしています。
 @13日平均騰落レシオが60%を下回る
 A日経平均乖離率が−4%を上回る
 B追証が発生する
 C株価全体が、一段落ちしたような感じになる

 つまり、銘柄の良し悪しに関係なく、猫も杓子もみんな下がっているというときです。騰落レシオは25日平均が有名ですが、25日平均で60%割れというのは、数年に一度しか示現しません。長期投資なら数年に一度を待てますが、短期投資では待てません。そこで、年に数回示現する13日平均を使います。25日平均ほどの信頼性は無いですが、ある程度の参考にはなります。日経平均乖離率−4%は、あくまで目安です。はっきり言って、当てになる指標ではありません。気休め程度です。最も大事なのは、追証の発生と、株価全体が、一段落ちしたような感じになることです。追証の発生は、日経新聞で記事になることが多いので直ぐにわかります。そして、株価全体が一段落ちしたような感じになるのは、それまで踏み止まっていた銘柄が、踏み止まれずに流されてしまったような状態になるということです。全体が売られている中で、それほど売られずに踏み止まっていた銘柄が、一気に値を消すときです。このようなときが、多くの場合、総悲観の最終局面ということになり、絶好の仕込み場になります。そして、こういう状況で仕込んだときは、何を買っても騰がりますが、より効率を求めて、「3点チャージ法」の活用をお勧めします。「3点チャージ法」というものは、個別銘柄の指標が、次の条件を満たすものです。
 @25日移動平均乖離率が−15%以上
 A12日RSIが25%以下
 B25日ボリュームレシオが70%以下

その上、C最近1ヶ月間に悪材料が出ていないという条件を加えて、私は使用しています。このような総悲観の中で「3点チャージ法」により仕込んだ銘柄は、外れても買値での撤退ができるため、下値不安が非常に小さいのです。ただ、新聞やテレビでは、まだまだ売られるという論評の中で仕込まないとならないのですから、並外れた勇気と根性が必要となります。

 そして、次にリスクが少なく効果的な投資というのは、トレンドが反転した後の最初の押し目を仕込むことです。俗に「初押しは買い、二番天上は売り。」と言われているものです。従来のトレンドが反転して、新しいトレンドが始まった場合、新しいトレンドはある一定の期間続くものと期待できます。仕込みが、トレンドの開始時期に近ければ近いほど、トレンドの恩恵を長期間にわたって享受することができると言えます。そういう意味で申しますと、トレンドの反転時に仕込むのが最も効率が良いということになるのですが、この反転時というものは、最初の押し目を確認するまで反転時と確認できないものなのです。例えば、下降トレンドの場合、最初の押し目が反転時よりも下押しすれば、これは反転ではなく、従来の下降トレンドが継続していると判断するべきであり、最初の押し目が反転時よりも下押ししない状況を確認して、初めてトレンドの反転とみることができるのです。ですから、最初の押し目で仕込むのが、この方法では最もリスクが少ないと言えるのです。

 そこで最初の押し目とは、どのようなときかと思われるでしょうが、これは、底値買いと違って、相場状況に明確な条件がありませんので、その分リスクが高いと言わざるを得ません。ただ、かなり主観的な判断なのですが、個人的には次の条件が重なったときとしています。
 @日経平均乖離率が4%を上回らず、ある程度の数値をキープしている
 A相場全体に過熱感が無い
 B相場が、悪材料に強い状態になっている
 C直近の下落が、底値買いのタイミングとなっている

 このタイミングは、底値買いのタイミングを逃した、或いは底値買いをした後に目先の高値で売り抜けたため、新たに仕込みする場合の仕込み場と考えることができます。日経平均乖離率が4%を上回らないというのは、絶対条件ではありません。相場全体に過熱感が無いというのと同じで、短期的に買われていないという意味です。また、相場の質が、買い方に有利かどうか判断するために、相場が悪材料に強いかどうかが問題です。大きな悪材料は、先の底値圏で折り込んだはずですが、まだ悪材料を引きずっているようでしたら、いつ急落するかわかりませんので、押し目買いは難しいです。こういう場合は、再度、底値買いのタイミングを狙うということになります。直近の下落が、底値買いのタイミングとなっているというのは、最初の押し目という意味では、当然です。そして、こういう状況のときに、勢い良く反騰し、押し目をつけているものを狙います。この押し目の見方は、どのような方法でも構いません。13日移動平均線でも、一目均衡表でも構いません。自分の納得がいく指標で仕込めば良いのです。私は個人的に、以下の条件を満たすものとしています。
 @ボリンジャーバンド(20日)の1σと10日移動平均のラインがほぼ重なっている
 Aボリンジャーバンド(20日)の2σ辺りで反落し、1σで反発している

 その上、B最近1ヶ月間に悪材料が出ていないという条件を、底値買いと同じく加えています。押し目買いは、底値買いのように、失敗しても買値に戻ると思ってはいけません。1σという支持を失えば急転直下となりますので、買値を下回れば損切りしなければなりません。リスク度という意味では、底値買いが5%程度であれば、押し目買いは30%程度というところでしょうか。また、底値買い程値幅も取れません。ただ、底値買いのときより、格段と相場状況が好転していますので、心理的には仕込み易いということです。

 その次にリスクが少なく効果的な投資というのは、大きく買われた銘柄を買うという方法です。俗に「上放れは買い、下放れは売り。」と言われているものです。保ち合いトレンドが収束して、大きく上下どちらかに振れた場合は、その動きに追随するというものです。保ち合いトレンドというものは、上下に頑強な抵抗線があるため、それを超えるには、相当なパワーが要るということになります。反面、その抵抗線を超えれば、今度はその抵抗線が支持線に代わり、値動きのサポートを期待できます。ですから、例えば、保ち合いトレンドにあった銘柄が、上放れた場合は、反落を期待して売り建てるのではなく、続伸を期待して買い建てるべきなのです。保ち合いトレンドの期間が長ければ長い程、上放れた株価は高く感じられますが、それは「安値覚え。」しているだけで、決して高いのではなく、むしろ安いと判断しなければなりません。

 そこで、上放れはどういうときかと思われるでしょう。これは、どの投資本にも書かれているような、単純なものです。最も典型的なものが、俗に「ペナント型」と言われるチャートになっている銘柄です。この投資については、相場環境というのは、余り意識しなくても良いと思われます。と言うのも、相場環境が悪いときに、上放れることは無いからです。具体的な銘柄としては、私としては次のものを選んでいます。
 @中途半端な好材料による上放れではないこと
 A寄付から上放れていること
 B終値が始値を上回っていること
 C上ヒゲがロウソクより長くないこと

 この方法で十二分に気をつけて頂きたいことは、先に紹介した2種類の方法より、かなりダマシが多い、つまり、上放れと見せかけて反落するということが非常に多いと言うことです。リスク度を考えれば、70%程度でしょうか。それでもリスクが少ない方法と言えるのは、成功したときには、非常に儲けが大きいからです。20%、30%上昇が、短期間で狙えます。それこそ、損切りさえ上手にできるのなら、最も勧めたい方法です。ただ、損切りがしっかりできないと、ダマシにやられて、儲けが吹っ飛びかねません。絶対に損したくないという方には、お勧めできない方法なのです。どちらかと言えば、ある程度の損を覚悟し、ハイリスク・ハイリターンを求める方にお勧めな方法です。

 ところで、絶対にしてはいけない方法というのは、以前にも説明した急落銘柄の逆張りです。特に、急騰後に急落しているような銘柄は、絶対に逆張りをしてはいけません。詳細な説明は、次回にまわしますが、余りに売りが多過ぎ、損切りできないという状況にも陥りかねないからです。

 このように、比較的リスクが少ない投資方法として、3通りを紹介しました。他にも方法は、いくらでもあります。ただ、この3通りが王道的な方法と考えれば、他の方法は、局地戦という雰囲気になります。例えば、分割銘柄を仕込む方法とか、東証一部への格上げ銘柄を仕込む方法とか、株主優待銘柄を仕込む方法とか、色々あります。ただ、これらの局地戦は、多くの投資家が参加できるほど、戦場が広くありません。ですから、やはり、この3通りの王道を極めないと、最終的な成功は難しいと言わざるを得ません。ただ、勘違いしてもらっては困るのは、これら局地戦を否定している訳ではないということです。局地戦を戦っておられる方ならわかると思いますが、みんながみんな参加して来ては、困ると言うことです。ま、産業で言えば、隙間産業ということでしょうか。(決して蔑視する意味ではありません。)

 そこで、ここでの教訓は、株式投資の方法としては、王道として3種類があるということです。それぞれ、出現率やリスク度や儲け率が異なるので、その違いを理解し、自分に合った投資方法に組み立てなおすことです。儲けに捉われるのではなく、リスクがとれる、とれないで選ぶべきです。


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