第三篇 謀攻
☆☆☆リスクを減らした投資方法☆☆☆



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第1節 トレンドから見るリスクの少ない投資
第25回 トレンドに乗ることの重要性

 今回から第3篇に入ります。第1篇では「株式投資を始めるに当たっての準備事項」、第2篇では「短期投資の勧めと費用」について説明しました。この第3篇では、「リスクを減らした投資方法」について説明していきます。孫子は、

 「戦争を行なうには、敵国を攻めずに屈服させるのが上策であり、攻め破るのは次策である。敵軍を攻めずに屈服させるのが上策であり、攻め破るのは次策である。敵大隊を攻めずに屈服させるのが上策であり、攻め破るのは次策である。敵中隊を攻めずに屈服させるのが上策であり、攻め破るのは次策である。敵小隊を攻めずに屈服させるのが上策であり、攻め破るのは次策である。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「株式投資を行なうには、相場のトレンドに順張りして利益を上げるのが上策であり、逆張りして利益を上げるのは次策である。セクターのトレンドに順張りして利益を上げるのが上策であり、逆張りして利益を上げるのは次策である。銘柄の長期トレンドに順張りして利益を上げるのが上策であり、逆張りして利益を上げるのは次策である。銘柄の中期トレンドに順張りして利益を上げるのが上策であり、逆張りして利益を上げるのは次策である。銘柄の短期トレンドに順張りして利益を上げるのが上策であり、逆張りして利益を上げるのは次策である。」

になると思います。みなさんは、戦いというものは、敵を攻めて打ち破るのが当たり前のことだと思われるでしょう。しかし、孫武は、戦わずして勝つことが最上の勝ち方だと言っています。それは、敵を打ち破るには、敵、味方を問わず、多大な犠牲を必要とするからです。孫武は、味方の犠牲だけではなく、敵の犠牲も嫌います。それは、敵も、降伏すれば味方になるからです。孫武の思想は、敵を滅ぼすのではなく、敵を降伏させて、味方に組み入れることにより、戦力を増強させるというものです。ですから、味方だけでなく、敵の消耗も嫌うのです。この思想は、株式投資についても、非常に効果的です。味方の消耗、つまり、資金を消耗させずに成功するということです。そこで、孫武は、具体的に、敵と戦うのではなく、戦わずに降伏させることを第一と考えています。株式投資では、戦わず、つまり、投資せずには成功ありませんから、リスクの高い戦い、つまり、逆張りを戦いに言い換えました。

 そうすると、トレンドに対する順張り投資で利益を上げるのが上策であり、逆張り投資で利益を上げるのが次策であるということになります。何故、順張りが良くて、逆張りがダメなのかと思われるでしょう。それは、短期的に考えれば、底値を確認していないため、どこまで下げるか判らないからです。だいたいこの辺りで下げ止まるだろうと考えて、買いを入れるのが逆張りですが、本当にそこで下げ止まるかと聞かれれば、下げ止まると言い切れるでしょうか。結局、更に深押ししたところで下げ止まり、反発して来たとすれば、下げ止まりを確認してから仕込んでいても、遅くは無かったということになります。

 また、上げるという考えが外れた場合に、トレンドに従った考えであれば、余り深手を負うことはありませんが、トレンドに逆らった考えであれば、傷口に塩を塗ることになりかねないからです。例えば、ある銘柄を1,000円で仕込んだとしましょう。考えが外れて下落した場合でも、その銘柄が上昇トレンド中であれば、反落したとしても、トレンドに伴う上昇圧力が内在しているのですから、損は限定的です。しかし、その銘柄が下降トレンド中であれば、反落してしまったら、トレンドに伴う下降圧力が内在しているのですから、損は大きくなってしまいます。つまり、トレンドに逆らった投資は、トレンドに従った投資よりもリスクが大きいと言えるのです。

 ですから、株式投資をする場合、これは長期投資であろうが短期投資であろうが同じなのですが、相場全体のトレンドに従って儲けようとするのが誉められた方法であり、トレンドに逆らって儲けようとするのは余り誉められた方法ではありません。セクターのトレンドに従って儲けようとするのが誉められた方法であり、トレンドに逆らって儲けようとするのは余り誉められた方法ではありません。個別銘柄の長期トレンドに従って儲けようとするのが誉められた方法であり、長期トレンドに逆らって儲けようとするのは余り誉められた方法ではありません。個別銘柄の中期トレンドに従って儲けようとするのが誉められた方法であり、中期トレンドに逆らって儲けようとするのは余り誉められた方法ではありません。個別銘柄の短期トレンドに従って儲けようとするのが誉められた方法であり、短期トレンドに逆らって儲けようとするのは余り誉められた方法ではありません。と、このようになるのです。

 ところで、全てのトレンドが上昇している中で仕込みをするのが、最も安全な株式投資と言えるのかと考えれば、実は、そうとも言い切れません。と言うのも、株価の位置が問題となるからです。全てのトレンドが上昇中ということは、多くの投資家は、楽観の中で、有頂天になっている筈です。こういう場面は、反落する一歩手前という場面です。ですから、こういう場面では、基本的に仕込んではならないということです。ならば、最も安全なときはどんなときかと思われるでしょう。無いとは言いません。ちゃんとありますから、ご安心ください。最も安全なときとは、相場もセクターも上昇トレンドの中であり、個別銘柄の中長期トレンドも上昇トレンドであり、短期トレンドのみが下降していて、その短期トレンドが終盤に差し掛かったと思われるとき、つまり、中期上昇トレンドが支持線に接近し、短期下降トレンドが下押ししたときです。この場合、短期トレンドが更なる下押しをすれば、中期トレンドが崩れ、もう二段階程度売られることになり、半年程度は浮上できなくなります。反対に、中期トレンドに支えられて、短期トレンドが反発すれば、結構な儲けになります。ですから、この段階にある銘柄を選別し、短期トレンドの反発を確認してから仕込んでも、十二分に間に合いますし、儲かります。ただし、このときに注意して貰いたいのは、トレンドの反発を確認してから順張りで行ってください。くれぐれも、欲に駆られて、反発するだろうとの思いから、逆張りで仕込まないで下さい。中期上昇トレンドが崩れた後の売られ方は熾烈です。一週間もあれば、2〜3割りは平気で売られることがあります。ですから、未確認状態の中での逆張りは、絶対に避けてください。

 このように、トレンドに従った投資は、リスクを大幅に減らし、安心して投資に臨むことができます。ところが、トレンドに従った投資は、リスクを大幅に減らす代わりに、儲けもある程度は減ってしまいます。欲に駆られた投資家は、この儲けが減ることが我慢できずに、勝手にトレンドが切り替わるとの推測から逆張りをしてしまいます。確かに、成功すれば非常に効果的ですが、失敗すれば、数回の儲けを一度で吐き出してしまうほど悲惨です。ですから、みなさんにとっても大事なお金です。多少儲けが減っても、大損するよりは良いではないですか。気楽に、余裕を持って、株式投資に取り組みましょう。

 そこで、ここでの教訓は、短期投資は、基本的に順張りで臨むということです。逆張りは非常に効果的な方法ですが、その効果に数倍するリスクを内包しています。リスクとリターンを考えれば、逆張りはできないということです。株式投資は、自分と戦いです。欲に駆られて逆張りすれば、必ず後悔することになります。この点をよく理解して、順張りのタイミングを探してください。


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