第二篇 作戦
☆☆☆株式投資の費用と損切り☆☆☆



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第3節 短期投資の実践
第22回 元金を失うことの愚かさ

 前回、長く持続しすぎても、また、短期で回転しすぎても、投資は成功しないということを説明しました。今回は、その戒めを守れなかったらどうなるかを、体験を基にして説明したいと思います。ちなみに、この体験は、私がまだ、儲けられなかった頃の実体験です。孫子は、

 「国民の生活は、平時の7割がカットされ、国費は、武器の補修、補充費用及び戦争用土木工事費用等が歳出の6割を占めることとなる。だからこそ智将は、敵国内に遠征して、食料を現地調達するのである。敵食料を1斗奪うのは、味方の食料20斗運ぶのと同じだけの価値があり、敵飼料を1石奪うのは、味方の飼料20石運ぶのと同じだけの価値があるからである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「そうなると、相場では投資余力が尽きることとなり、元金では信用取引担保が尽きることとなる。株式投資に臨める資金は、当初の7割を失い、元金は、情報料の支払い、売買手数料の支払い及び日歩並びに逆日歩の負担が残金の6割を占めることになる。だからこそ、頭の良い投資家は、不必要に短期で回転させるのではなく、投資銘柄を慎重に選択して、確実に利益を上げていくのである。投資により1万円の利益を得るということは、資金20万円を持ち出すのと同じだけの価値があるからである。」

 になると思います。株式投資を始めた頃の私は、投資の何たるかを知らずに、ただ闇雲に仕込んで持続していました。当初に用意した資金は、その金額の半分近くを、あっという間に失ってしまったのです。その失った主な原因は、投資方法が全く無かったことなのですが、直接的には、短期で仕込んだ銘柄をダラダラと長期化させてしまい、大損の末に損切りしてしまったことと、残った資金で意味もわからず、手当たり次第に、短期で回転させたことです。

 今でも、忘れはしません、三菱マテリアルです。当時はITバブル全盛の時代でしたから、三菱マテリアルは、ブルートゥース用のチップアンテナを開発したとのことで、右肩上がりに買われていました。急騰する訳でもなく、じっくりと買われていたということで、下値不安は少ないだろうと思い、明確な考えも無いまま仕込んでしまいました。仕込み価格は431円だったのですが、そこを天井にして、半年後には300円を切るところまで売られていたのです。泣く泣く、私は292円で損切りしました。長期は無理だ、ここで、やはり短期で回そうと思い、闇雲に、日経新聞の朝刊で、材料が出た銘柄を回転させ続けました。ところが、その殆どが損切りにしかならないのです。仕込みの許容レベルがわからないので、仕込みはするが、全てが高値掴みとなったのです。三井木材、住友石炭、兼松等々、散々たるものでした。この間に、重く圧し掛かってきたのが、損と手数料です。当時は某大手証券会社で取引していましたので、売買代金の0.6%程度の手数料が必要でした。また、情報料や税金等で、合算すれば、損と同額程度の費用を失っていたのです。投資の失敗を、投資方法の未確立ではなく、長期が合わない、短期が合わない等々、見当違いの理由としていたために、起こるべくして起こした失敗でした。

 ところで、私が、未だに相場を去らずに、こうやっていられるのは、当時、失敗したときには、まだ、信用取引に手を出していなかったからです。例えば、三菱マテリアルを20,000株ではなく、信用取引で、60,000株仕込んでいたと考えてみて下さい。当時、私は、1000万円を700万円に減らして、大いに落ち込んだものですが、損は、300万円ではなく、900万円になっているのです。また、その間の情報料等を考えれば、ほぼ元金全てを失ったことになります。その上、その後の短期でも、私は300万円単位で回転させていたのですが、それを600万円単位で回転させれば、損は2倍でした。こうなっていれば、落ち込むどころか、絶対に株式投資などはしないと、株式投資に騙されたと言って、株式投資を止めていたはずです。そうすれば、今の成功も無く、ただ、1000万円を損したという事実だけが残っていたはずです。

 ですから、成功する為には、ダラダラと長期化するのではなく、また、闇雲に短期で回転するのでもなく、自分で確立させた投資方法に基づいて仕込みをしなければならないのです。そうでもないのに信用取引に手を出していれば、まず、投資余力、つまり、信用取引で新たに銘柄を仕込むことができる資金力が無くなります。ダラダラと長期化させて、含み損を拡大させているのか、短期で回して、小さい損を積み重ねているかの、どちらかのはずです。それにより、担保として差し出している元金が、損を精算されて、どんどん減っていきます。気付いたときには、7割方は損により、減っているはずです。その上、残った3割の資金も、情報料の支払い、売買手数料の支払い及び日歩並びに逆日歩の負担で、6割程度は引かれることになります。つまり、手元に残ったのは、3割の4割、つまり、元金から換算すれば1割2分ということになります。これでは、再起しようと思っても、できるものではありません。当初の資金の1/10では、例え方法を確立させても、元金に戻すまでには、かなりの日数が必要となります。

 だからこそ、何度も申し上げているように、損を大きくする前に、撤退をすべきなのです。このことを理解しているから、頭の良い投資家は、短期銘柄を長期化することはせず、また、不必要に短期で銘柄を回転させるのではなく、投資銘柄を慎重に選択して、確実に利益を上げていく方法を選ぶのです。投資により1万円の利益を得るということは、資金20万円を持ち出すのと同じだけの価値があると思って相場に臨んでください。そうすれば、大損する前に、撤退できるはずです。

 そこで、ここでの教訓は、前回と殆ど同じなのですが、長引かせるのは絶対に避けなければならないが、だからと言って、無意味に短期で切り過ぎるのも良くないのです。投資はあくまで、確立した方法に則って行なうべきなのです。株式投資の損は、株式投資でしか取り戻せません。そういう意味で、損は可能な限り少なくすることが、再起をするためには必要なことなのです。


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