第二篇 作戦
☆☆☆株式投資の費用と損切り☆☆☆



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第2節 損切りの重要性
第18回 塩漬け株を作らないためには

 前回、塩漬け株の弊害について書きましたが、みなさん、理解して頂けたでしょうか。今回は、塩漬け株を作らないためにどうすれば良いか、ということを考えてみたいと思います。孫子は、

 「だから戦争には『程々の勝利で素早く撤兵すること。』が有利というのは聞くが、『敵国を滅亡させるまで徹底的に戦うこと。』が有利というのは聞かないのである。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「だから株式投資には、『程々の利益で満足して、素早く撤退すること。』が有利というのは聞くが、『より大きな利益を得る為に、銘柄の天井まで持続すること。』が有利というのは聞かないのである。」

 になると思います。塩漬け株をどうして作ってしまうのかと考えると、それは、やはり、損をしたくない、もっと儲けたいという欲望が、頭の中で渦巻くからだと考えます。

 例えば、仕込んだ銘柄が、仕込んだ値段より、一度も騰がらずに下げた場合、あなたはどのように考えるでしょうか。元値に戻れば売ると考えるのではないでしょうか。私は、そうでした。しかし、何度も言うようですが、そんな希望は、絶望への片道切符にほかなりません。騰がると思って仕込んだ銘柄なのに、期待に反して、一度も騰がらずに下げているのです。ということは、最初から、完全に目算が狂っているのです。例えば、長期投資の予定で、仕込みを数回に分けて行なおうと思い、買い下がるというのなら話は別ですが、短期投資で目算が外れれば、その時点で撤退しなければならないのです。一度狂った目算は、なかなか戻らないからです。

 また、仕込んだ銘柄が、騰がった場合、あなたはどのように考えるでしょうか。1,000円で仕込んだ銘柄が1,050円になったら、50円の儲けです。あなたは50円の儲けに満足して売れますか。私は、売れませんでした。1,050円になったのだから、1,100円になるだろうと欲をかいて、持続していました。すると、確率高く、1,070円程度で天井を打ち、1,050円、1,040円と下げていきます。すると、1,030円付近では、まだ儲けがあるのですから売れば良いようなものを、反発したら損だからと欲深い考えで、売らずにいると、結局は、買値である1,000円を下回ってしまうことになります。そこで売れれば、まだ、ましなのですが、含み益があったことに拘り過ぎて売らないでいると、更に、980円、970円と下げていきます。そもそも、自分と同じように、高値で買った投資家が多いのです。戻り売り圧力も、半端なものではありません。そして、950円を切る頃には、買値に戻れば売ると思い直しますが、遅きに失しています。買値には戻らずに、更に下げてしまうのです。

 このように、下げても売らず、騰がっても売らなければ、一体、株式投資にどのようなものを求めているのでしょうか。大化け株でしょうか。一度の仕込みで、10倍や20倍になる株を求めているのではありませんか。そんなことは有り得ないとは言いませんが、そんな銘柄をタイミング良く仕込めることは、殆ど不可能だと断言できます。なぜなら、そんなことが簡単にできれば、誰も働かずに、株式投資をするはずです。他人にはできなくても、自分にはできると思う方は、どうぞ好きにやって下さい。そんな方は、これを読む必要もありません。どうぞ勝手にして下さい。

 ところで、確率論から考えた場合、一つの銘柄で大儲けを期待する方が良いのか、小さい儲けを積み重ねた方が良いのか、どちらでしょうか。例えば、上がると判断した銘柄の中で、5%以上上がる確率はどれくらいでしょうか。10%以上上がる確率はどれくらいでしょうか。20%、30%上がる確率はどれくらいでしょうか。状況にもよるでしょうが、5%以上上がるのが5割であれば、10%以上上がるのは1割程度、20%、30%は皆無に等しいと思います。ですから、1銘柄で10%の利益を上げられる確率は10%ですが、2銘柄で10%の利益を上げられる確率は5割×5割=2割5分となり、確率論で考えれば2銘柄で狙った方が成功する確率が高いということになります。欲張らなければ欲張らない程、成功する確率は高くなり、それこそ2%程度の儲けで回転する方が効率的に良いのです。儲けても、儲けなくても、ソコソコで撤退する方が良いのです。一度に大きく儲けようと思うのではなく、小さな儲けを積み重ねた方がよく、損失も小さいところでカットする方が良いのです。

 このように、冷静に考えれば、簡単には、大儲けはできません。大儲けへの近道は、やはり、小さな儲けを積み重ねることだと思います。買値から、一度も騰がらずに下げ続けるのは論外ですが、一度は騰がったけど、売らずにいたら下げてしまったということは、騰がったときに売れなかったということです。どうして売れなかったのでしょう。それは、その、少ない儲けで、あなたが満足できなかったからでしょう。もう少し儲けたいという欲が、あなたの儲けを奪っているのです。その少ない儲けで売っていれば、あなたは儲かっていたのです。だから、株式投資の世界では、「利食い千人力」と言われているのです。例え少ない儲けであっても、利益を確定させることが、大きな儲けに繋がるのです。反対に、より儲けを欲張るために、天井まで持続することが良いとは言われないのです。天井をつけた相場の終焉は、苛烈です。一気に売られてしまいます。そして、かなり下げたところで、あそこが天井だったんだと知ることができます。天井にいるときは、ここが天井だとは、誰もわからないのです。後になってからしかわからないものを、先に知るということはできませんし、探そうとすることも無謀です。だから、天井を追い求めるのではなく、小さい儲けを、確実に手にした方が良いのです。そして、その儲けを積み重ねることが、あなたの成功への道なのです。

 そこで、ここでの教訓は、塩漬け株を作らないためにも、程ほどの儲けで満足して、利益確定することです。そのためには、一度に大きく儲けてやろうという考えを捨てることです。少しずつ、着実に儲けることが必要だと、また、損はできるだけ小さくすることが必要だということです。


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