第二篇 作戦
☆☆☆株式投資の費用と損切り☆☆☆



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第2節 損切りの重要性
第16回 仕込みに失敗したときの対処方法

 前回は、株式投資にかかる必要経費について説明しました。今回は、その必要経費の観点から、仕込みに失敗したときの対処方法を、説明したいと思います。孫子は、

 「それなのに、いざ会戦となったとき、決め手を欠いて戦争を長期化させれば、兵力を消耗した上に、兵隊達の戦意を鈍らせることになる。そこで、力ずくで城攻めを仕掛けるとなると、例え勝ったとしても、その被害は甚大なものとなる。かといって攻めあぐねていると、後方支援の負担は膨大となり、国の経済そのものを破綻させることになる。」

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「それなのに、いざ仕込みとなったとき、撤退する機会を逃して建玉をダラダラと長期化させてしまえば、資金を消耗させた上に、投資家自身の投資意欲を鈍らすことになる。そこで、起死回生をもくろみ解体銘柄の逆張りなどに乗り換えると、例え一時は成功しても、最終的には大損することになる。だからといってそのまま持続していると、日々の維持費の負担が膨大となり、株式投資そのものを破綻させることになる。」

 になると思います。既に株式投資をされている方は、一度くらい経験があると思います。最初から、長期投資を念頭にして銘柄を選択し、仕込みするのなら話は別ですが、短期投資では、あくまで短期で回転しなければなりません。短期のつもりで仕込んだのに、なかなか騰がらず、手仕舞いしあぐねていると、資金は少ずつ減ってしまいます。それは必要経費ではなく、評価損というやつです。つまり、1,000円の銘柄が、1日で100円下落したら慌てて売りますが、10日で100円、つまり、1日10円ずつの下落であれば、なかなか売ることが出来ません。明日には戻るだろうと思い、ついつい持続してしまうからです。それでも、どちらも100円の損なのです。ですから、気付いてみると、こんなに評価損を抱えていたということで、評価損といっしょに頭を抱える破目になります。また、自分自身のやる気も無くなってしまいます。評価損を抱えていると、ついつい新しい銘柄が出ても怖くて仕込み出来ず、見逃してしまいます。そして、見逃した銘柄ほど、良く騰がるものなのです。手持ちの銘柄は騰がらず、見逃した銘柄は騰がるというのを繰り返せば、誰でもやる気が無くなってしまうのは当然です。やる気を失って、どうして成功することができるでしょうか。

 ですから、失敗したときは、例外なく、損切りを実行するということが必要となります。つまり、仕込む前に、銘柄の性格や値動きから、この価格を下回れば、例外なく撤退するというラインを決めておき、そのラインを不幸にも下回ってしまった場合は、即座に撤退するということです。この撤退には、どのような判断も介在させてはなりません。機械的に行なうのです。例え、損切りラインを少し下回ったところで反発しても、損したと思ってはなりません。そもそも、銘柄の選定に失敗し、損切りラインの設定にも失敗しているのです。例え、反発しても、二度も失敗しているのですから、その反発を利用して儲けるだけの技量は無いと判断すべきなのです。売ったら、直ぐに反発したらどうしようなどとは、絶対に思ってはなりません。

 ここで、素人がやる悪い例をみてみましょう。こういうときに、素人がやる失敗は、二つあります。一つは、株式を売って損失を確定し、危険な銘柄に乗り換えることであり、もう一つは、そのまま保有し続けることです。

 まず、一つ目は、失敗を失敗と認める勇気が中途半端にある方です。銘柄は一新しようとしますが、気分を一新しようとする努力を怠る方です。その結果、先の失敗を引きずって、次こそは、一気に大きく儲けよう、一気に損失を取り戻そうと思い、危険な仕手筋の解体銘柄等に手を出すからです。そもそも、安全第一で選択して、必ず騰がると意気込んで仕込んだ銘柄が騰がらずに、逆に損が発生したということは、銘柄の選択に誤りがあっただけでなく、運用方法にも誤りがあります。また、能力そのものも、未だに儲けられるレベルに達していないのかもしれません。銘柄選択にだけ誤りがあったのなら、さっさと損失を確定して、気分を一新して、新しい銘柄に乗り換えているはずです。それができずに、ダラダラと評価損を拡大させてしまい、一気に取り戻そうと博打的な行動に出るということは、前後を見失っているのに違いありません。ですから、このようなときに、無理して儲けようと思っても、必ず損をするだけです。特に一気に利益を上げようとすることから、値動きの激しい銘柄に飛びついてしまいます。材料株とか、最悪の場合は解体銘柄に飛びついてしまいます。すると、これらの値動きに対応できるほどの能力や運用方法を備えていないのですから、確率高く、大損してしまいます。何故なら、材料株や解体銘柄に対応できるほどの実力を備えていれば、その前の失敗など、起こすわけがないからです。冷静に考えてみて下さい。投資家の9割が儲けられていないのが現実です。銘柄選定と運用方法に難があるときに、儲けられるでしょうか。自分自身に問題がある状況で儲けられるでしょうか。万人に一人の天才であれば儲けられるかもしれませんが、そんな人間であれば、このサイトを見ていないと思います。多くの方と同様、自分は凡人だと謙虚に生きて下さい。謙虚に相場に対峙して下さい。そうすれば、儲けは後からついて来ます。

 さて、もう一つは、失敗を失敗と認める勇気が無い方がする、それでも売れない、つまり、評価損をどんどん拡大させていくということです。損切りできないという、短期投資では、決して犯してはならない過ちをする方です。反発して欲しいという希望だけに縋って、持続し続けるのです。ところが、現実は、必ずと言って良いほど、希望を裏切ります。反発して欲しいけど、反発しないのが現実なのです。そしてダラダラと持続し続け、終には買値の半額にまで損失を拡大してしまうのです。考えてみて下さい。最初に騰がるという見通しを裏切った銘柄です。反発するという希望も裏切られて当たり前ではないでしょうか。一度、裏切られた相手に、二度も裏切られるのは、お人好しですが、これが三度、四度と重なると、はっきり言って愚か者です。今の甘い日本社会でも、さすがに同じ相手に何度も騙されて失敗すれば、非難されるはずです。株式投資は、自分自身との戦いですから、誰からも非難を受けません。そういう意味で、その愚かさに気付くには、自分自身しかいないのです。また、その上、評価損に追い討ちをかけて、先に挙げた維持費が重く圧し掛かってきます。毎日500円程度でも、月にすれば15,000円、年間では180,000円にもなります。その間、損失を拡大させ続けた上に、18万円もの維持費を払えば、当初の100万円なんか、吹っ飛んでしまいます。こうなると、資金は尽きてしまい、到底、株式投資を続けることはできなくなります。ですから、短期投資では、賞味期限は厳守しなければならないのです。

 そこで、ここでの教訓は、仕込みに失敗したときは、ダラダラと持続せずに、スパッと諦めて損失を確定する、つまり、損切りするということです。そして、その失敗から距離を置き、冷静に判断できるようになるまで、新たに仕込みはしないということです。また、同時に、自分の技量を超えた銘柄には手を出さないことと、絶対に失敗を引きずらないことです。


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