第一篇 始計
☆☆☆株式投資を始める前の注意事項☆☆☆



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第2節 理解度と勝率
第8回 理解の深さの重要性

 以上、5つの条件を受けて「孫子」は、

 「およそ、これら5つの条件について、聞いたことが無い者はいない。つまり、これらのことをより深く理解している者が勝利を収め、理解していない者が勝利できないということなのである。」

と、しています。これは株式投資に置き換えても、全く同じになると思います。

「およそ、これら5つの条件について、聞いたことが無い者はいない。つまり、これらのことをより深く理解している者が勝利を収め、理解していない者が勝利できないということなのである。」

 孫武は、これまでの5条件を、知っていて当たり前のことだとしています。そして、その中で勝者と敗者が出るのは、その理解の深さの違いによるとしています。確かに、この時代、将軍として国の命運を背負って兵を率いるのですから、この程度の条件は、誰でも知っていて当たり前のことなのでしょう。それならば、普通に考えると、勝敗が決する要因というのは、これらの条件の外にある理から来るものだと考えるのではないでしょうか。その代表的なものが、運であり、神であると思います。運が悪かったから勝てなかった、神のご加護が無かったから勝てなかったという言葉は、良く聞くと思います。ところが、孫武は、これら運や神という存在を否定し、これらの条件の理解の深さに勝敗の行方を求めました。運が悪いとはどういうことか、神のご加護がないとはどういうことかを研究したのだと思います。すると、その多くは、敗将の能力や判断が劣っていたり、間違っていたりしていたことに起因しているのが、わかったのだと思います。危ないと思いながらも突き進んだり、勝ち続けたが故に判断が甘くなったり、引く勇気を持ち合わせていなかったり、油断していたりしたことが原因なのに、それを運や神の責任にしただけのことだと気付いたのです。

 例えば、大勝した後は、勝利に酔って、軍全体が浮かれてしまいます。こういうときこそ、敵の反撃を警戒しなければならないのですが、ついつい勝利に気を良くして、もはや敵には、反撃する余力は残っていないと思ってしまいます。しかし、敵に用兵巧者がいれば、敵の虚を突く意味で、こういう場合に夜襲をかけます。勝って兜の緒を締めよ、という言葉は誰でも知っていますが、その意味を本当に理解して、実践できるかどうかが問題となるのです。こういう意味で、孫武は、理解の深さに勝敗を求めているのです。

 これを株式投資に当て嵌めても、同じことが言えると思います。欲張ってはいけない、少しの利益でも確かなものにしなければならないということは、誰でも知っています。「利食い千人力」と言われる所以です。しかし、現実に、1,000円で購入した銘柄が、1,050円になり、1,100円になったときに、果たして、100円の利益で売れるでしょうか。まだまだ上がりそうだと思い、持続してしまうのではないでしょうか。その結果、値上がりすれば良いのですが、先の1,100円を天井に反落し、買値を下回ってしまったということがよくあるのではないでしょうか。その上、買値を下回っても、先の1,100円を知っているが故に、買値である1,000円は回復するだろうと思って持続し、損をどんどん脹らませてしまったということがあるのではないでしょうか。他にも、時期や環境が悪いのに、ついつい相場の雰囲気に乗せられて高値掴みをしてしまったとか、損切りできないのに、材料株に手を出して大損したとか、せっかく儲かる投資方法を編み出したのに、思い入れから例外を作ってしまって損が拡大してしまったとか、あるのではないでしょうか。これらのことは、運が悪かったのでも、神のご加護が無かったからでもありません。全ては、自分の判断が間違っていたのです。ついつい欲望や感情に流されて、冷静な判断ができなかったり、理解不足から、ちょっとした変化の兆しを見抜けなかったりしたからです。こういう場合に人は、判断の誤りを色々な事象に責任を転嫁したり、見抜けなかったが故に、運が悪かったと思ったりしてしまうのです。だから、運が悪かった、神のご加護が無かったと言っている人は、自分は成功するだけの能力が不足していたと言っているのと同じなのです。

 ところで、成功するためには、どれだけ理解度があれば良いかということですが、これは、絶対的なものではなく、相対的なものであるため、一概には言えません。ただ言えることは、どんなときでも、参加者の1割しか儲けていないことです。逆な言い方をすれば、どんなときでも、参加者の1割が儲けているということです。ですから、成功するためには、この1割の中に入れるだけの理解度が必要ということになります。そこで、この参加者というのがみそなのです。景気が良くなれば、株価が上がりますので、当然のように参加者は増えます。景気が悪くなれば、株価が下がりますので、当然のように参加者は減ります。ここで増減する参加者と言うのは、殆どがズブの素人です。となると、参加者が増えると全体のレベルが下がり、減ると上がるということになります。つまり、儲けられる1割のレベルも、それに応じて上下するのです。ですから、相場が上がると儲け易くなるのは、この1割のレベルが下がるのですから、当たり前のことなのです。これから日本経済は復活の動きに入ります。これから数年間は、株価が上昇し続けると言われています。そうなると、参加者がどんどん増えていきますから、そのレベルもどんどん下がるということになります。

 そこで、ここでの教訓は、株式投資の勝者である1割の中に入らなければならないということと、失敗は、運でも神でも無く、自身の理解度が浅いというところにあるということを自覚することです。なかなか儲からない、いつも損ばかりしていると感じている人は、焦らずに理解度を深める努力をすることです。


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