第一篇 始計
☆☆☆株式投資を始める前の注意事項☆☆☆



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第7回 第五の条件「方法」

 孫子は、「法」の説明として、

 「法」とは、軍隊統制に関する法令、政務、組織等規範的条件のことである。

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「方法」とは、投資に関するやり方、決め事、原理原則等、手段的条件のことである。

 となると思います。孫武は、「法」を第五の条件としました。軍隊を率いるには、例え「天・地・人」の条件を得て、将軍が優秀であっても、率いる方法がまずければ、勝てないということです。軍隊は、多くの人で構成されていますから、その価値観や個性も様々です。その個々の兵隊が、好き勝手に判断して、動いてしまっては、全体としてのまとまりが無くなり、集団としての威力が発揮できなくなってしまいます。これを予防するために、「将」の能力に合わせた、規則や運営方法を定め、組織として構成することが必要となるのです。

 これを株式投資に当て嵌めると、自分自身の明確な投資方法が必要だということです。例え種々の好条件が揃っていても、その方法が場当たり的で、何の脈絡も無く、感覚で動いていては、成功する訳がありません。ですから、自分に合った投資方法が必要ということになります。そこで、自分に合った投資方法ですが、これを見つけ出すまでが、また一苦労になります。成功している人の投資方法を見習えば良いのではと、思うかもしれませんが、そんな簡単な問題ではありません。プロ野球選手の投げ方や打ち方を真似したところで、プロ野球選手になれないのと同じです。そこで、自分の方法づくりをするときに考えなければならないのは、「自制」と「能力」です。そもそも人の欲望や能力は千差万別であり、全く同じと言う人は、殆どいません。欲望は、有り過ぎても、無さ過ぎても問題です。また、前項で述べた通り、完全なる「能力」を備えることは殆ど不可能です。必ずどこかに欠点があります。ですから、自分自身の欲の深さに適した、不足している「能力」を補うために、「方法」というのが必要となります。この深さと不足というのが人によって様々であるため、他人の「方法」というものが、参考になっても、真似できないということになります。いかに自分を見極めるかが、成功への早道となります。

 例えば、欲が深い人は、損切りすることができません。損を出すことを非常に嫌がり、反転するまで待とうとします。すると、結果として、損を大きく拡大させることになります。ですから、このような人は、下値不安が非常に小さい、安定した投資を心がけるべきです。それこそ、数年に一度しか現れない、25日騰落レシオの60%割れを狙った中期投資みたいなものです。また、余り欲深くないのであれば、簡単に損切りすることができます。すると、損が大きく拡大するということはありません。ですから、多少リスクがあっても、効率の良い動きが期待できる材料株への短期投資ができます。知力が足りなければ、株式投資の持つ表裏の原則が理解できませんから、特化した投資方法、特に銘柄の個性を重視しない超短期のような投資方法しかできません。信念が足りなければ、すぐに都合の良いように投資方法をコロコロ変えて損を拡大させてしまいますので、複数の投資方法を器用に利用して投資することができません。謹直さが無ければ、日々の細かい分析やその企業の将来の見通しが立てられませんから、銘柄の動きだけを利用する超短期か、株式市場が持つ長大な上昇トレンドを利用する超長期という両極端な投資しかできません。勇気が無ければ、仕込み、撤退、持続という適切な判断ができませんから、短時間で大きく値動きするような材料銘柄への短期投資はできません。厳毅がなければ、なにごとに対しても例外を設けてしまいますから、どんな投資をしても儲けることはできません。

このような、自分の欠点が如実に現れる投資方法を選択せず、欠点を補うやり方を実践すれば良いのです。ただ、自分の投資方法を見つけ出しても、厳格に運用できないと意味がありません。ついつい他人の成功に目移りして、自分の投資方法に例外を設けてしまっては、意味が無いのです。一度は成功した投資家が凋落する原因は、実は、この例外だということを知る必要があります。

 そこで、ここでの教訓は、投資をするためには、自分の投資方法をつくるということが不可欠だということです。絶対ということが存在しない世界の中で、感情に流されずに判断するためには、物差しを自分で作る必要があるのです。それが、投資方法なのです。自分の投資方法を物差しとして使って、儲けられるかどうかを考えて、投資に臨まなければならないのです。


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