第一篇 始計
☆☆☆株式投資を始める前の注意事項☆☆☆



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第6回 第四の条件「能力」

 孫子は、「将」の説明として、

 「将」とは、智略、信義、仁愛、勇敢、厳正を併せ持つ将軍の資質のことで人的条件のことである。

 と、しています。これを株式投資に置き換えると、

 「能力」とは、知力、信念、謹直、勇気、厳毅等、投資家自身の人格的条件のことである。

 となると思います。孫武は、「将」を第四の条件としました。君主の代人として兵を率いるには、その能力が高いに越したことはありません。しかし、この将軍の能力が、勝敗を決定する全てではないことは確かです。歴史上には、名将と呼ばれる人が多くいますが、生涯にわたって負け戦を経験したことが無いという人は、一人もいないはずです。多かれ少なかれ、戦の大小の規模の違いがあっても、何度かは経験しているはずです。その記録を探ると、敗戦の理由は、相手がより名将だったということもありますが、それ以上に、大義が無かったとか、天の利や地の利を失っていたということが多かったのです。また、名将や達人と言われる人ほど、負ける戦はしなかった、という傾向が強いようです。先の条件である「道・天・地」が、相手より劣っていれば戦わず、同じであれば将軍の能力で戦うかどうかを決めるということです。その能力は、相手の策略を上回るだけの知力、君主や部下や他の将軍から寄せられる厚い信頼、民や部下を思いやる深い慈愛、部下の先陣を切って突入できる勇気と、部下を統率できる威厳が必要としています。

 これを株式投資に当て嵌めると、自分が相談する相手ということでしょうか。ただ、君主自らが軍を率いれば、この条件は、君主の能力に置き換わりますから、そういう意味で、投資家自身の能力と置き換えて良いと思います。そこで、株式投資をするためには、投資家自身に次の能力が必要ということになります。

 まず、当然のことながら、「知力」が必要となります。今まで書いてきたような条件を理解し、株式投資に応用することができるだけの「知力」ということです。高学歴とか、頭が良いという意味ではありません。あくまで、株式投資の原理、原則を理解し、投資ということができるだけの知力ということです。ですから、殆どの方は、この知力は有していると思います。

 次に、「信念」が必要です。株式投資で必ず成功してやるという気構えが無いと、多少の失敗で諦めてしまったり、優柔不断な対応から損失を拡大させてしまったりするのです。「信念」というのがピンと来なければ、「ハングリー精神」と考えても良いで思います。われわれの人生は、殆どの方が順調に来ていると思います。毎日三食食べられなかったり、住む家が無かったりしたということは、これまでの人生の中で無かったのではないでしょうか。必死になって、その日、その日を生きたと言う経験が無いでは無いでしょうか。順調な人生だと、成功に向かってなかなか貪欲になれませんので、この「信念」というものも、いい加減なものになりがちです。もしかしたら、われわれが、最も失っているのが、この「信念」というものかもしれません。

 そして、「謹直」、つまり「真面目さ」が必要です。株式投資に対して、真面目に研究して実践するということが必要です。ついついテレビを見たり、遊んだりしていては、進歩しません。毎日毎日、例え少ない時間であっても、株式投資の研究をすることです。最初は、その日の動きをチャートで眺めるだけでも良いでしょう。少し進歩すれば、自分で統計データを作ってみるのも良いかもしれません。少しずつでも株式投資の世界に踏み込み、値動きを研究すれば、自分なりの発見があるはずです。この発見の積み重ねが、成功への一歩なのです。少しでも早く成功したければ、寝る間も惜しんで取り組むということが必要だということです。この世の中、楽をして儲かるということは、決してありません。株式投資で儲けようと思うのなら、それだけの努力が必要となります。努力すればする程、成功に近づくということです。そういう意味で、コツコツタイプには、向いているかもしれません。

 また、「勇気」というのも必要です。投資には、各所で的確な判断が要求されます。仕込み、撤退、持続等々、判断するときに迷えば、それは損失を招くことになります。しかし、迷えば損をすることがわかっていても、なかなか判断できないのが当たり前なのです。例えば、買った銘柄が値下がりしてしまった場合、売ろうとは思うが、売った途端に反発したらどうしようと思ってしまいます。すると、もう少し持続してみようと思ってしまいます。この持続は、持続と判断したのではなく、勇気がなくて、判断を先送りしただけのものなのです。すると、必ずと言って良いほど、銘柄は続落していきます。そして、なぜあの時に売らなかったのかと後悔します。「勇気」を持って、メリハリが効いた判断をして、初めて成功ということが見えてくるのです。もしかすると、日本人にとって、この「勇気」というものが、一番欠けているのかもしれません。なんせ、先送りというものが多いですから。

 最後に、「厳毅」というものが必要です。つまり、自分を厳しく律すること、自分を甘やかさないことです。何をするにしても、甘えていては何も出来ません。何事にも、厳しい姿勢で取り組んでこそ、成功というものを、手にすることが出来るのです。

 以上5つの条件を提示しましたが、これら全てが完全に備わっていないと成功できないという訳ではありません。自分は頭が悪いとか、なかなか信念が持てないとか、真面目に取り組めないとかであっても、全くダメだということではありません。それぞれの能力について最低レベルをクリアしていれば、ある程度の成功を手中にすることはできます。ただ、能力が足りていれば足りている程、成功しやすいというのは確かです。そこで、成功できないのは、能力が足りていないのに足りていると思い込み、天上天下唯我独尊の境地で投資に臨むからです。自分自身に不足していることを自覚して、その点に注意して投資すれば、大きな失敗をすることは、まずありません。

 そこで、ここでの教訓は、自分の「能力」を高めるために、日々の努力が必要ということです。完全な能力は必要ありません。最低限のレベルをクリアしている能力が必要なのです。また、能力の不足を自覚して、調子に乗った投資をしないということです。


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