戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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楚 策
第44策 資金調達の方法

 張儀が楚の懐王(かいおう)に遊説に来たときのこと。とうとう金を使い果たして、ひどく困窮する破目になった。あまりの困窮さに耐えかねて、共の者が暇を出して欲しいと言ってきた。それに対して、張儀は言った。

 「わかった。もう暫く待ってくれ。金は何とか工面するから。」

 そこで張儀は、早速、懐王に謁見して色々と論じたが、懐王より色好い返事はもらえなかった。そこで、張儀は、一計を案じて言った。

 「陛下のお側には優秀な方々が大勢おられ、私のような非才はご不要と思いますので、北に行って魏王にお仕えしようと思っているのですが。」

 「よかろう。」

 「つきましては、これまでのご厚情に報いたいと存じますので、何か魏で陛下のために求めようと思うのですが。」

 「そうじゃな・・・・。でも、残念だが、わが国には金銀財宝が数多あり、欲しいモノは何も無い。」

 「女も要らぬとおっしゃるのですか。」

 「女か。」

 「はい。韓や周の都会でみかける女たちの化粧の美しさは、まるで天女が降り立ったように見えます。」

 「そうか。なにぶんわが楚は、南方の辺鄙な国じゃ。中原の美女とは縁がない。それほどまでの美女なら、一度は可愛がってみたいものじゃ。」

 「わかりました。それでしたら、中原一の美女を捜し求めて参りましょう。」

 そこで懐王は、そのための費用として、張儀に金銀財宝を与えた。懐王と張儀の話を伝え聞いた懐王の夫人である南后と、寵妃である鄭袖は、大いに慌てた。懐王の寵愛を二分している二人は、新しい美女が来ると、自分たちへの寵愛が薄れるのではないかと気が気ではなかった。そこで南后は、使者に千金を持たせて、張儀に見えさせた。

 「南后さまは、張儀さまが魏へ行かれると聞かれて、非常に残念であるとおっしゃられ、せめて路銀の足しにと、私に千金をお持ちするようにと命令されました。」

 また鄭袖も、同じように、財宝を張儀に贈った。張儀は、その費用の一部を供の者に渡し、困窮した生活を立て直した。

 ある一つの事象を達成して欲しい勢力と、達成して欲しくない勢力と、両方から資金をせしめたのである。これほど見事な策略はない。


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