戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



トップページへ戻る

コーナートップへ戻る


斉 策
第38策 お金を取立てる方法

 あるとき、田文は、食客を抱えすぎたので、当座の費用が足りなくなった。そこで、食客たちに、領地内の住民に貸し付けているお金を、回収してきてもらえないかと依頼した。それを聞いた馮□(ふうけん)が志願した。そこで田文は、馮□に依頼した。 馮□は、支度を整えて、車に借金の証文を積んで、出掛けるときのこと。

 「貸金の取立てが済んだら、何を買って参りましょうか?」

 「そうですね。この屋敷で不足しているものを買ってきて頂けませんか?」

 「わかりました。」

 馮□は、田文の領地である薛(せつ)まで車を飛ばして急行した。そして、役人を使って、債務者たちを一箇所に集めた。そして、一人ひとりチェックして、内容を確認した後、払える者には払わせて、今は払えない者でも払える余力がある者には債務期間を先延ばしにし、払える見込みの無い者の証文は、側にあった火にくべて燃やしてしまった。そして、支払われたお金を使って、領地のものたちを集めて宴会を催した。期せずして、領地のものたちから、万歳の声が上がった。
翌日、馮□は急いで戻り、田文に拝謁した。

 「さすがは先生。お早いですね。取立ては済みましたか?」

 「はい。」

 「で、何を買って来て下さいましたか?」


 「この屋敷には、金銀財宝、食べ物、人、ありとあらゆるモノが溢れています。そこで、恩義を買ってくることにしました。」

 「恩義とは?」

 「私が考えますには、これだけモノが溢れているということは、さぞかし領民たちは、年貢を搾り取られて辛い思いをしているだろうと考えました。そんな領民たちが借金をしたのですから、多くは返済できるはずはありません。そこで、多くの証文を焼き捨ててきました。すると、期せずして、万歳の声が起こりました。恩義を買ったとは、このことです。」

 田文は渋い顔をして、何も言わなかった。
 それから、1年余りが経過した後のこと。田文は、□王(びんおう)とそりが合わず、宰相を解任されてしまった。そこで、自領の薛へ帰ることになった。すると、数千人もいた食客の多くは、田文の下を去ってしまった。権勢が無くなると、人はげんきんなものだということを、田文は、失意の中で味わうことになった。その失意の中で、田文一行は、薛へと向かった。すると、薛の領民たちは、100里先まで、田文を迎えに来ていた。田文は、馮□を顧みて、

 「恩義を買うとはこのことですな。」

 と言って、破顔した。

 田文は倹約かであったので、貴族の中でもみすぼらしい生活をしていた。それでも、貴族の生活と、庶民の生活を比べた場合、田文の生活は贅沢すぎるということを、馮□は、暗に諫言したのである。


コーナートップへ戻る

トップページへ戻る


 本サイトは、個人的な経験及び考えに基づいて構成されていますので、その内容において、正確性、信頼性および利益性を保証するものではありません。ですから、原因のいかんに関わらず、当方では、一切の責任を負いません。また、本サイトの情報に基づいて行った投資行為その他の損害についても、一切の責任を負いません。投資その他の行為については、自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。投資の最終判断、最終責任は、全てご自身でお願いします。