戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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斉 策
第31策 泥人形と木偶人形

 田嬰の子の田文(でんぶん)は、父の後を継いで、斉の宰相となった後のこと。秦が、田文を招聘しようと、あの手この手を打ってきた。そこで、ついに田文は、秦に行くことを決心した。ところが当事の斉人の感覚としては、秦は西の野蛮な国(元々は西戎と言われていた)で、行けば殺されると思い込んでいた。だから、多くの食客たちが、田文の決断を思い止まらそうとして、諫言をした。しかし、田文は、全く耳を貸さなかった。食客の一人である蘇代も、田文に思い止まらそうとやって来たときのこと。

 「先生、この世の話(秦に行くこと)は聞きたくない。あの世の話なら聞くが・・・。」

 「そういわれるのでしたら、あの世の話を致しましょうか。」

 「なら聞こう。」

 「今しがた、川の畔を歩いておりましたら、泥人形と木偶人形が言い争っておりました。ちょっと興味があったので聞き耳を立てていますと、木偶人形が、泥人形にこう言ったのです。『お前は元々この川の泥で、人間にこねられて人の形になっただけだ。だから、次の雨季でこの川が氾濫すれば、また元の泥に戻ってしまうだろうが。』と。これに対して泥人形が反論します。『確かにそうだ。オレは元々この川の泥だから、元の泥に戻るだけさ。それに対してお前は、そこの森の木で作られた木偶人形だ。川が氾濫すれば、お前は何処までも流されて、二度とここには戻って来れないぞ。』と。私は、あなたが、この木偶人形と同じにならないかと、心配しているのです。」

 田文は、秦へ行くのを止めた。

 相手の意向に沿う形で会話を構成し、意見を聞き入れる土壌を作り出す方法である。最初から本題を言っても、相手は警戒しているので聞き入れない。相手の意向に沿う会話が、警戒心を解く働きをしていたのである。


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