戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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斉 策
第29策 海・大・魚

 斉の宰相であった田嬰が、薛に城を築こうとしたときのこと。多くの食客たちが、築城を思い止まるように諫言した。そこで田嬰は、取り次ぎ役の臣下に、以後、取り次がないように申し渡した。そこで、一人の食客が取次ぎを願った。

「三言だけ話したい。それ以上話したら、釜茹でにされても良い。」

 そこで、田嬰は、会ってみることにした。その食客は、小走りに田嬰の前まで来ると、

 「海・大・魚!!」

 と大声で叫んだかと思うと、部屋を走り出ようとした。呆気にとられていた田嬰であるが、ハッと我に返って言った。

 「待て!!もっと詳しく話を聞かせてくれ。」

 「私は、釜茹での刑にはなりたくありませんので。」

 「構わん。詳しく話してくれ。」

 「わかりました。閣下は、大魚のことをご存知でしょう。何しろ大きいものですから、網にかかることもなく、釣竿で釣り上げることもできません。ところが、それほどの大魚であっても、水面から飛び上がり、浜辺に打ち上げられてしまえば、虫けらどもの餌食になるだけです。閣下にとっての水とは斉のことです。斉から離れれば、いくら城壁を高くしても浜に打ち上げられた大魚ですし、斉から離れなければ、城壁など要らないでしょう。」

 「なるほど。よくわかった。」

 田嬰は、薛に城を築くのを止めた。

 これが有名な「海・大・魚」の逸話である。意味不明な単語を並べることにより、相手の注意を惹いてから、本題を言うのである。最初から本題を言っても、相手は警戒しているので聞き入れない。この意味不明な発言が、相手の警戒心を解く働きをしていたのである。


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