戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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秦 策
第20策 不可能を可能にする方法

 秦に入った呂不偉は、伝を使って、まず、孝文王(こうぶんおう)の后である華陽夫人(かようふじん)の弟である陽泉君(ようせんくん)に謁見した。呂不偉は、陽泉君に献上品を渡しながら、言った。

 「あなたは、重大な過ちを犯されているのをご存知ですか。」

 陽泉君は、ムッとした表情で呂不偉を見た。

 「太子の食客は誰も取り立ててもらっていないのに、あなたの食客は幾人も取り立てられ、高位高官に就いています。更に、今のあなたは、蔵には金銀財宝が、馬小屋には駿馬が、後宮には美女が溢れています。栄耀栄華思いのままというのは、まさにこのことです。それなのに、あなたは今を楽しむだけで、将来の布石を打とうとはなされない。既に陛下は老齢となられ、余命幾ばくも無いのは明らかです。もし、陛下が崩じられ、太子が即位されればどうなさるおつもりですか。」

 「それくらい、わしもわかっておる。ただ、手立てが無いだけじゃ。」

 「私には、その手立てがあります。宜しければ、お教えいたしますが。」

 「まことか。」

 「はい。あなたにとっての問題は、姉君である華陽夫人にお子がおられないことです。その為に、妾腹の子が太子となってしまったのです。陛下が崩じられた後には、その太子が即位されますので、太子の外戚が権力を握り、あなたや華陽夫人が追われることになるのです。ですから、華陽夫人にお子ができれば良い訳です。 実は、今、趙で人質として送られている公子異人さまは、その人品、挙措など、王としての風格をお持ちになっており、その心は孝心に満ちています。それなのに、ただ、御生母の席次が低いというだけで、趙に人質として送られています。もし、華陽夫人が異人さまを趙から呼び戻し、ご養子にされれば、異人さまのことですから、その恩は、生涯お忘れにならないでしょう。更に、もし王位にお付になられれば、全てはあなたや華陽夫人のお陰だということで、今以上に重用されると思います。」

 「その異人という公子は、それ程の人物か。」

 「はい。」

 「わかった。至急、姉君に言上しよう。」

 正攻法では、普通の結果しか得られません。そこで、奇策を用いて、普通ではない結果を得る訳です。普通では、異人が跡継ぎになるなどということはあり得ませんが、華陽夫人の養子になることにより、跡継ぎの座をせしめることに成功したのです。不可能を可能にするということは、奇策を用いるということです。


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