戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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秦 策
第11策 人の陥れ方

 (前回の続き)

 結局、懐王は、陳軫の諫言を聞き入れず、使者を遣わして、斉と断交した。このことを確認してから、張儀は秦へと帰国した。帰国すると、張儀は真っ先に斉に使者を派遣して、秦は斉と密かに同盟を結んだ。

 懐王は、秦に使者を出して、約束の商於600里を割譲するように要求した。すると、張儀は病気を理由に、対応しなかった。その報告を聞いた懐王は、

 「張儀はまだ、わしが斉と断交していないと疑っておるのか!!」

 と言うや、肝の据わった使者を斉に派遣して、斉王の面前で罵倒させた。張儀は、この事実を知り、これで完全に斉と楚の国交は絶ったと考え、使者と会って言った。

 「ここから、ここまでの商於6里を割譲しましょう。」

 「私は600里と聞いてきました。6里とは聞いていません。」

 「私のような位の低い者に、600里もの領土を割譲する権限があるとお思いか?」

 使者は帰国して、懐王に事の次第の一部始終を報告した。懐王は、烈火のごとく怒り、秦に出兵しようとした。この動きを知り、陳軫が懐王に言った。

 「申し上げたいことがあります。」

 「なんじゃ、申せ。」

 「今、秦を伐つのは上策ではありません、陛下。ここは一つ、その恨みをお忘れになって、秦に一郡を割譲して、秦と共に斉を伐つべきです。そうすれば、秦に与えた一郡を斉から奪うことになり、楚としては、損得無しとなります。陛下は、今、既に斉と断交されているのに、欺いた秦を伐とうとなさっている。このままでは、斉と秦が同盟を結び、楚に敵対してくるのは必定です。そうなれば、楚には一大事です。何卒、ご再考を。」

 しかし、怒りに我を忘れている懐王は聞かなかった。そして、ついに秦に兵を指し向けた。秦は、斉と同盟して、韓を率いて、杜陵(とりょう)で、楚と会戦した。杜陵の戦いで、楚は大敗を喫し、多くの将兵と民、領土を失い、滅亡寸前にまでなったのである。全ては、懐王が欲に目が眩み、用いる意見を誤ったからである。

 真実を言い当てた陳軫の諫言を、二度も懐王は退けてしまった。そのために、楚は滅亡寸前まで追い込まれてしまったのである。つまり、真実の諫言を二回続けて退ければ、誰もが滅亡寸前の状態にまで陥るということができるのではないか。つまり、二度続けて判断を誤らせれば、その人を陥れることができるということです。


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