戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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秦 策
第9策 疑いを晴らすための方法
 
 秦の恵王に仕えていた陳軫(ちんしん)が、外交の任務を終えて、楚から帰国したときのこと。同僚の張儀が、恵王に対して、陳軫のことを讒言した。

 「陳軫は、陛下に臣従して久しいのに、未だに、楚に秦の内情を漏らしています。私としては、彼とは一緒に仕事をしたくはありません。できるのでしたら、陛下、御自ら、彼を追放して頂けないでしょうか。それが無理でしたら、次に彼が楚に行くと言ったときは、どうか殺してください。」

 これに対して、恵王は、こう応えた。

 「ここまで言われれば、陳軫も、二度と楚には行かないだろう。」

 後日、恵王は、陳軫を召して言った。

 「次は、どこに行くつもりだ。また、車を用意してやろうと思うのだが。」

 これに対して、陳軫は応えた。

 「はい、できれば楚に行きたいです。」

 「張儀が、おまえは必ず楚に行くと言っていた。実は、私自身も楚に行くだろうと思っていた。もし、楚以外に行けと言われればどうする。」

 「行くからには、楚以外にはありません。ところで、一つ陛下に聞いて頂きたい例え話がございます。
 楚に、二人の妻を持つ年老いた金持ちがいました。妻は二人とも美人だったので、ある男がモーションをかけたところ、年上の方の妻は無視しましたが、年下の法の妻は誘いに乗ってきました。そして、そうこうしているうちに、その金持ちが死んでしまい、モーションをかけた男に、未亡人となった二人のうち、どちらかを妻に迎えないかという話が来ました。その男は、迷わず年上の方を妻に迎えました。それを聞いた男の友人は、どうして誘いに乗らなかった方を妻にしたのだと男に尋ねました。すると男は、他人のものなら簡単に誘いに乗る方が良いが、自分のものなら簡単に誘いに乗らない方が良いからさ、と答えたそうです。
 今、楚王は名君の誉れが高く、宰相の昭陽も優れた人物です。その人たちに秦の内情を私が漏らせば、私は楚で重用されるでしょうか。
 賢明な陛下なら、おわかり頂けると思います。」


 もし、自分が疑われているような行動をあなたにすれば、あなたは私を信用するか、と尋ねているのです。この問いを更に効果的にしているのは、相手は賢明だと言い、更にあなた自身も賢明だと付け加えているところです。もし、信用できない、と答えれば、自分が相手より劣ることを認めたことになるため、敢えて否定的な回答を封じていることになります、


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