戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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秦 策
第8策 自分の地位を守る方法
※ この話しは、列伝にも掲載したものです。

 6ヶ国の宰相となってからの蘇秦にとっての不安は、秦の出方でした。秦が6ヶ国の同盟を切り崩しに動かないかと、いつもヒヤヒヤしていました。そこで、蘇秦は、一計を案じました。それは、自分に敵対しない者を秦に送り込み、秦王を操らせようとしたのです。しかし、生半可な才能では、秦王に重用されません。そこで蘇秦は、旧友の張儀に目を付けたのです。

 蘇秦は、早速、張儀に使いをやり、呼び寄せました。そうすると、張儀は、仕官の口を斡旋してもらえるものと思い、喜んでやってきました。ところが蘇秦は、自分から声を掛けていたのに、張儀を冷たくあしらいます。また、宰相になった自分を自慢し、仕官さえできていない張儀をバカにしたのです。このように仕打ちを受けて、張儀は怒り、発奮することになります。蘇秦に目にものを見せるためには、蘇秦が宰相をしていない秦しかないと。秦の宰相になって、蘇秦を見返してやるんだと、一路、秦を目指します。実は、これこそが、蘇秦の策略でした。張儀をなんとか秦の宰相にさせたかったのですが、普通に頼んでも、張儀は宰相になれないだろうと感じました。張儀の才覚であれば、秦の宰相でも容易いことは知っていましたが、張儀はなかなか本気にならない性格を、蘇秦は知っていたのです。そこで、先に秦に遊説に行って失敗している蘇秦は、生半可な説き方では、絶対に秦では採用されないと考え、張儀を発奮させるために、敢えてこのような非礼に出たのです。

 張儀は、秦に向かう途中、一人の男と出会います。その男も、秦に行くということで、共に旅をすることにします。張儀は、旅の途中で、この男と打ち解けあい、秦に行く理由などを話します。すると、男は、張儀に同情し、秦までの旅費の肩代わりや、秦での仕官の世話まで引き受けてくれたのです。張儀は、男の用意してくれた伝手を使って、まんまと仕官に成功します。そして、蘇秦憎しの気持ちで必死に秦王に仕え、本当に、宰相の地位にまで上り詰めるのです。宰相になった張儀はその男を呼んで、これまでの恩に手厚く報いたいと申し出ます。しかし、このときになって、初めてその男は、これまでの経緯の全てを張儀に伝えます。自分は蘇秦の部下であること、張儀への援助は蘇秦の命令であること、当然、仕官の世話をしたのは蘇秦であること、蘇秦が非礼な態度をしたのは張儀を発奮させて秦の宰相にさせるためであったことを伝えたのです。そして、蘇秦が張儀を秦の宰相にさせたかった理由、つまり六ヶ国連合に秦の横槍を入れられたくはないという願いも伝えたのです。これを聞いた張儀は、嘆息して言います。

 「わたし、蘇秦の能力に遠く及ばない。今の今まで、蘇秦の掌の上で動いていたとは、つゆほどにも思わなかった。そんな私が、蘇秦に敵対して勝てるだろうか。蘇秦に安心するように伝えて下さい。張儀は、蘇秦がいる限り、六ヶ国連合に横槍は入れないと・・・・。」

 張儀は、蘇秦の恩に厚く感謝し、蘇秦が生きている間は、決して六ヶ国連合を崩そうとはしませんでした。彼の理論である連横の策は、蘇秦の死後、初めて展開されることになるのです。

 人の用い方にも色々あります。本当にその人のためを考えるなら、ただ、かわいがるだけではなく、その人の才能を発揮できるように仕向けてあげることです。例え、それが一時的に恨まれるようなことであってもです。


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