戦 国 策
☆☆☆人の前で上手に話す方法を徹底追求☆☆☆



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秦 策
第6策 一念発起の仕方

 鬼谷子に政治の要諦を学んだ蘇秦は、喜び勇んで、仕官先を求めて諸国を旅した。蘇秦が仕官先に選んだのは、他国出身者を積極的に受け入れていた秦であった。ところが、蘇秦が10回も秦の恵王宛に上奏文を書いたのに、一度も恵王に会うことができなかった。実は、丁度、そのときの秦は、他国出身者であった商鞅を処刑したばかりのときで、他国出身者を採用する気は全く無かった時期だったのです。ですから、いくら蘇秦が内容のある上奏文をしたためても、相手にされる訳は無かったのです。

 ついに蘇秦は路銀も使い果たし、失意のうちに秦を後にします。そして、生まれ故郷の洛陽に帰ってきました。すると、周囲の目が、鋭く蘇秦の身に突き刺さります。久々に帰宅したのに、妻は仕事の手を休めず、兄嫁は食事の支度もしてくれず、父母に至っては、口すらきいてくれませんでした。父母らにしてみれば、諸侯に取り立ててもらおうなどという大それた野望を抱くのではなく、真面目に働けということです。そして、蘇秦は溜息混じりにこう言います。

 「妻は私を夫と認めず、兄嫁は私を義弟と認めず、父母は私を子とすら認めない。こうなったのは、全て、秦の責任だ!!必ず秦を見返してやる!!」

 
 そこで蘇秦は一念発起し、日夜関係なく、勉学に励むことにします。数多くの書物を読み漁り、太公望の兵法を極め、遊説術の極意を会得しようと努めます。そのやり方は、ハンパではありませんでした。眠くなれば、膝にキリを突き刺して眠気を覚まし、流れ出た血を拭く時間すら惜しんで勉強したのです。これ程までに、蘇秦を駆り立てたものは、

 「次こそは王を説き伏せ、金銀財宝を貰って、大臣に任命してもらい、秦や父母に一泡吹かせてやるんだ!!」


 という一念だけでした。そして、一年以上の歳月をかけて、蘇秦は、とうとう、これらの学問の極意を掴みます。そして、意気揚々と、再度、仕官の旅に出かけます。当然、父母たちは、そんな蘇秦の姿を、冷えた眼差しで見ていたのです。

 まず、最初に選んで、謁見したのは趙王でした。趙王は、蘇秦と会うや、数日間も話しに夢中になり、蘇秦の考えに意気投合し、蘇秦を武安君に取り立てて、宰相に任命しました。そして、宰相となった蘇秦は、多くの兵車や財宝を携えて、秦以外の斉、魏、韓、燕、楚の王も説いて、反秦六ヶ国の連合を作り上げます。蘇秦は、秦に対する復讐心で、位人臣を極めることに成功したのです。

 もし、蘇秦が、はじめの目論見どおりに秦で仕官できていたら、蘇秦は大勢いる大臣の一人に過ぎないという存在で終わっていたでしょう。秦に足蹴にされたことにより、一念発起して、自分のレベルを極限まで高めたからこそ、趙王だけではなく、他の5国の王をも説き伏せるだけの才覚を身につけることができたのです。人生、思い通りにはなりません。壁にぶつかったときは、諦めるのではなく、自分のレベルを上げるチャンスと考えましょう。そうすれば、蘇秦の成功を手に入れるのも、不可能ではないということではないでしょうか。 


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