韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第30篇 内儲説(上)
第23話 衛の嗣公が囚人を買い戻そうとした話

 衛の嗣公のとき、一人の囚人が魏に逃げ出した。その囚人は、どういうツテを使ったのか、襄王のお后の病気の治療をして、平癒させた。そのことを知った嗣公は、囚人を取り戻そうと使者に50金もの大金を持たせて、魏に派遣した。ところが、魏は、その囚人を返さなかった。使者は5回も、衛と魏を往復したが、終に囚人を取り戻すことができなかった。

 そこで嗣公は、左氏という町と囚人を引き換えようと、魏に申し入れた。群臣や側近は、口々に諌めて言った。

 「国家の基と言うべき領土を、たかだか一人の囚人と交換して良いものでしょうか。」

 嗣公は言った。

 「お前たちに理解できることではない。そもそも国を治めるには、どんな小事でも侮ってはならない。更に、乱れに対処するには、どんなことでも大事と恐れて尻込みしてはならない。法が確立しないで、罰さなければならない者を罰せられなければ、左氏の町が10邑あっても、利益とはならない。法が確立して、罰さなければならない者を罰することができれば、左氏の町を10邑失っても、損失とはならない。」

 このことを伝え聞いた襄王は、

 「一国の君主が国の存亡を賭けているのに、それに協力しないとなれば、どんな咎めを天から受けることになるかわからない。」

 と言って、囚人を無償で送り返した。

 法の抜け道を許してしまえば、どれ程広大な領土を保有していても、守り切れないということである。領土、国家を守っていくためには、厳密に法を適用し、臣民を導かなければならないということである。


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