韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第30篇 内儲説(上)
第19話 積沢での火事の話

 魯の哀公が、積沢という場所で狩をしたときのこと。猛獣を追い立てるために放った火が、北風に煽られて、王城近くに迫った。慌てた哀公は、狩に参加した臣下に命じて、火を消そうとした。ところが、臣下たちは、火を消すどころか、猛獣を追いかけ狩をするのを止めなかった。そこで、哀公は、側にいた孔子に尋ねた。

 「どうして皆は、わしの命令を無視して、狩を止めないのだ。」

 「陛下、それは狩りが楽しいもので、火消しが大変なものであるからです。また、狩りをすれば獲物という褒美が手に入りますが、火消しをしてもなんの褒美も手に入りません。また、火消しをしなくても、罰せられることはありません。だから、誰も火を消そうとしないのです。」

 「なるほど。」

 「陛下、事態は急を要します。しかしながら、手元には褒美は無く、また、消火に当たった全ての者に褒美を与えられるほど、国庫も裕福ではありません。ですから、ここは罰だけを下すことにしましょう。」

 「よかろう。」

 そこで、孔子は、哀公に代わって命令を出した。

 「消火に当たらない者は、降伏、逃亡の罪と同罪とし、猛獣を追いかけるものは禁地に侵入した罪と同罪に処す。」

 この命令が下されると、まだ全員に命令が伝わらない間に、早くも火は消されてしまった。

 人の行動を統制するには、賞罰しかないということである。命令さえ下せばその通りに動くだろうという思いだけでは、決して人は動かない。賞罰が下されてこそ、命令は生きるのである。


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