韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第30篇 内儲説(上)
第18話 麗水の流れが死体で堰き止められた話

 荊州の南方にある麗水(川の名前)では、砂金が採れた。そこで楚は、麗水の砂金を盗られないようにと、砂金を採った者は、市場で磔に処された後に死体を麗水に捨てられるという刑を作って盗掘を取り締まった。ところが、砂金を採っているのを見つかり、磔にされて流された死体が、麗水の流れを止めるほどになっても、盗掘する者は後を絶たなかった。砂金を盗掘しても、一握りの砂金が採れるかどうかである。それなのに、盗掘する者は、後を絶たなかった。

 これに反して、楚の王城の倉庫には、金塊が山ほど積み上げられていることは誰もが知っていることである。それなのに、誰一人として、その倉庫に盗みに入る者は居なかった。成功すれば、一生遊んで暮らせるだけの金塊を盗めるのに、それでも盗もうとした者は一人も居なかった。

 これは、どういうことだろうか。成功したときの報酬は、一握りの砂金よりも、一生暮らせる金塊の方が良いに決まっている。また、失敗したときの罰は、両方とも死刑である。それなのに、どうして成功報酬が少ない方にばかり、人が集まるのだろうか。

 それは、人々が、麗水での盗掘であれば見つからずに成功すると思い、王城への侵入は絶対に成功しないと思っているからである。つまり、捕まらないこともあるとわかっていれば、たとえ一握りの砂金でも盗掘しようという気になり、必ず捕まるとわかっていれば、一生暮らせる金塊でも盗もうとしないのである。

 刑の執行には、決して例外を設けてはならないという所以である。近代刑法では、犯罪者の生活環境まで含めて情状酌量を計ろうとするが、だからこそ、犯罪が増え、被害者が後を絶たないのである。


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