韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第30篇 内儲説(上)
第16話 楽池の隊列の指揮官の話

 中山(国名)の宰相である楽池(がくち)が、趙に使者として赴くことになった。一行は、趙王への進物も携えていたので、車百台、随従者千人もの大行列となった。そこで楽池は、これぞと思った賤臣を抜擢して、指揮を任せた。ところが、道中で、隊列が乱れて、思うように進めなくなった。そこで楽池は、指揮を任せた臣下に言った。

 「お前ならできると期待して命じたのに、このザマはどうしたことだ。」

 臣下は、怒りに耐え切れずに言った。

 「これは、あなたが人の治め方を知らないからです。」

 「なに!!」

 「人を治めるのは、人が平伏すような威厳を立て、人を励ますだけの利益を与えてこそ、可能となるのです。それなのに、私は賤臣であり、若輩者です。そもそも若輩者である私が、年上の方々を正し、賤臣が重臣の方々に命令する上に、賞罰の権限がありませんでした。これが、隊列が乱れた理由です。嘘とお思いなら、私に、功ある者を大臣に取り立てる権限と、罪ある者を打ち首にする権限を与えてください。一糸乱れぬ隊列をお目にかけます。」

 と言って、職を辞して去っていった。

 人を導くというのは、畏怖させるだけの威厳と、欲しがられるだけの利益が無ければダメだということである。いくら有能な者であっても、信賞必罰の権限が無ければ、人々を統率することができないのである。


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