韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第30篇 内儲説(上)
第6話 『国の半分を失った』という話

 秦の宰相であった張儀(ちょうぎ)は、魏を訪れて、秦、魏、韓の3ヶ国が連合して、斉と楚に対抗しようと言ってきた。これに対して、魏の宰相であった恵施(けいし)は、斉と楚と同盟を結んで、無益な戦いは止めようと言上した。そこで魏の昭王は、多くの臣下たちの前で、張儀と恵施に論争させた。その結果、魏の臣下や側近たちは、皆、張儀の意見が最もだと思い、恵施に味方する者は、一人もいなかった。この結果を受けて昭王は、秦、韓と連合して、斉と楚を攻めることにした。

 斉、楚への出兵が決まった夜のこと。恵施が昭王を訪ねて言った。

 「陛下、よくお考えください。全ての臣下が斉と楚を攻めた方が良いと考え、それが正しいのであれば、なんと有能な臣下が多いことでしょう。反対に、それが誤っているのであれば、なんと無能な臣下が多いことでしょう。そもそも陛下は、斉楚に出兵した方が良いかどうか迷われたからこそ、私と張儀に論争をさせて、臣下たちの意見を聞こうと考えられたのでしょう。本来、陛下がお迷いになられた程のことですから、臣下たちの意見も二分されて当然です。それなのに、全ての者が張儀の意見ばかりを採用して、私の意見を無視しました。これは偏に、衆議、つまり国の半分を失ったのと同じことです。陛下の耳目を塞ぐのと同じことです。よくよく気をつけなければならないことです。」

 いくら人数的に多くても、皆が一人を恐れて、その者の意見を是と考えていれば、一人にしか意見を聞かないのと同じである。そもそも、自分が迷うような問題であれば、意見も二分されるのが当然である。それとも、自分自身の才覚が、余りに低ければ別だが・・・・。



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