韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第11篇 孤憤
第5節 重臣の大罪と君主の過失

 大国の問題は、大臣の権力が強過ぎることであり、小国の問題は、側近の信用が大き過ぎることです。このことは、君主全員が抱えている問題でもあります。その上、臣下は大きな罪を犯し、主君は大きな過失を犯すのです。

 そもそも臣下と君主の利益は、相反するものなのです。何故なら、君主にとっての利益は、有能な者を低い俸給で登用することであり、臣下にとっての利益は、無能なまま高い俸給で登用されることです。君主にとっての利益は、功績に応じて俸給を騰げることであり、臣下にとっての利益は、功績も無く俸給を騰げて貰うことです。君主にとっての利益は、有能な者を手足とすることであり、臣下にとっての利益は、徒党を組んで君主の手から逃れることです。このようにして国の領土は削られ、臣下は増長し、君主の実権は『重臣』に侵食されてしまうのです。そして遂には、君主の実権そのものを『重臣』に奪われることになり、君主は『重臣』に禅譲(ぜんじょう:平和的に政権交代を行うこと。)を迫られ、立場が入れ替わることになってしまうのです。

 このことは、『重臣』が君主を騙して私利私欲を追求した結果に他なりません。だから今の『重臣』達の中で、君主が実権を回復した後も、従来のまま仕えられている者は、10人に2、3人も居ないのです。つまり、先に挙げた臣下の大きな罪とは、主君を欺くことなのであり、その罪は万死に値するということなのです。

 術家は将来を見通すことができるので、『重臣』の言いなりになって、死刑になるような悪事に手を貸すようなことはしません。法家は他人を欺くのを恥じるので、『重臣』の言いなりになって、奸臣と共謀して君主を欺く悪事に手を貸すようなことはしません。ということは、『重臣』の取り巻き達は、無能で将来の危難を予知することができない者達か、悪事を憚らない汚い者共ということになります。『重臣』は、このような愚者や汚い者共を取り巻きにして、上は君主を欺き、下は私利を貪るのです。徒党を組んで、口裏を合わせて君主を惑わし、法を破って人民を混乱させ、国家を危うくして領土を削らせるのです。その結果として、君主は労苦と辱めを受けることになってしまうのです。これを大罪と言わずして何と言うことができるでしょうか。

 臣下に大罪があるのに、主君がそれを禁止しないということは、これは君主の大きな過失以外、なにものでもありません。君主が上で大きな過失を犯し、臣下が下で大罪を犯しているような国で、これまで滅びなかったような国を探すというのは、出来る訳が無いのです。



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