韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第11篇 孤憤
第2節 法術家が重用されない理由

 『重臣』が政権の中枢を掌握してしまうと、国内外を問わず、関係者は全て『重臣』の手先になり下がってしまいます。何故なら、他の諸侯は、『重臣』の機嫌を損ねたら外交関係が悪くなるので、例え敵国であっても『重臣』の機嫌をとるようになってしまいます。他の臣下たちも、『重臣』の機嫌を損ねたら仕事が進まなくなるので、『重臣』の機嫌を伺うようになってしまいます。君主の側近たちも、『重臣』に嫌われれば君主の側に侍ることができなくなるので、『重臣』に好かれる為にその悪行を、君主の耳に入れないようになってしまいます。学者たちも、『重臣』に疎まれれば待遇が悪くなるので、疎まれないように『重臣』の弁護をするようになってしまうのです。以上4つの取り巻きこそ、『重臣』が己を守るための現実的な方法なのです。だから『重臣』は、君主に対する忠誠心という名目で、仇敵である法術家を登用するよう働きかけることはしないのです。しかし君主は、この4つの取り巻きを乗り越えて、『重臣』の悪行を知ることはできません。そのために、結局、君主は、益々判断を鈍らされて権力を失い、『重臣』は益々取り巻きを増やして権力を得て行くのです。

 『重臣』と君主の関係を考えれば、君主に信愛されていない『重臣』など、どの世界にも居ないのです。その上、竹馬の友であったりするものですから、始末に負えません。そもそも自分の感情を、君主の好き嫌いに合わせるということは、『重臣』が栄達した方法なのです。『重臣』は、官爵は高く、取り巻きも多く、国中の人々から媚びられています。それに対して出世しようとする法術家は、君主に信愛されている訳でも無く、竹馬の友でも無い。その上、君主の過ちを法術の観点から指摘して、それを矯正しようとするので、君主の意向とは真っ向から対立してしまいます。だから、官爵は低く、仲間も居らず孤独な存在なのです。そもそも君主と疏遠な立場で、信愛されている立場の者と争うのですから、勝ち目がある訳がありません。新参者の身で、旧知の間柄にある者と争うのですから、勝ち目がある訳がありません。君主の意向に逆らいながら、君主の意向に同調する立場の者と争うのですから、勝ち目がある訳がありません。官爵の低い立場で、官爵の高い立場の者と争うのですから、勝ち目がある訳がありません。たった一人の言葉で、国中の者の言葉に立ち向かうのですから、勝ち目がある訳がありません。このように法術家というのは、5つもの不利な立場におかれているのですから、何年たっても、君主に目通りすら叶わないのが当たり前なのです。反対に『重臣』は、5つもの有利な立場に居るのですから、朝夕に関わらず、君主に対して自由に意見をすることができます。このような状況で、法術家は、どのようにして君主に対して意見を進言することができるでしょうか。また君主は、どのようにして己の過ちを知ることができるでしょうか。



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