韓子(韓非子)
☆☆☆人と上手に付き合うための方法を徹底追求☆☆☆



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第7篇 二柄
第3節 君主の悩み事

 君主には、2つの悩み事があると言われています。それは、有能な者を登用すれば、その才能に任せて主君を蔑(ないがし)ろにする危険性があるということと、無能な者を登用すれば、事務が滞ってどうしようもなくなることです。その上、君主が賢者を好むと、臣下達は、君主に気に入られようと賢者のような振る舞いをするようになります。すると、君主が臣下達の実の姿を知ることが難しくなり、臣下自身の善悪を見破り難くなる。
 昔、越王は勇敢な兵士を好みました。すると民衆達は、死を軽々しく扱うようになってしまったのです。
 また、楚の霊王は、細身の美人を好みました。すると女達はダイエットに励み、餓死する者が続出したのです。
 斉の桓公は、嫉妬深い性格だった。それを知った竪子(じゅし:桓公の寵臣、後桓公を易牙と共に見殺しにした。)は、自らを去勢して桓公に取り入りました。また桓公は美食を好んだ。それを知った易牙(えきが)は、自分の子供を蒸し焼きにして献上して、桓公に取り入りました。
 燕王の子□(しかい)は、賢人と誉められるのを好んだ。それを知った子之(しし:子□の寵臣)は、五帝のように国譲されても受け取らないと謀ったのです。
 つまり、君主が自分の好悪を臣下に知られると、臣下は気に入られようとその好悪に合わせてくるのです。君主が自分の欲望を現すと、臣下は取り入る糸口を手に入れたことになります。だから子之は、主君の好みである賢人を手がかりとして、君主の座を奪うことができたのです。竪子と易牙は、主君の好みを土台として、君主の地位を脅かしたのです。その結果、子□は内乱によって死に、桓公は死んでも埋葬されず、その部屋から蛆虫が這い出しても放置されていたのです。

 こうなったのはどうしてでしょうか。君主が自分の好悪を現して、知らず知らずのうちに、二柄を臣下に貸し与えてしまっていたからです。臣下の実情というものは、皆君主を愛しているとは限らないのです。皆己の利益の為に仕えているに過ぎないのです。今、君主たる者が己の好悪を隠さず、臣下にそのことを知られたならば、臣下達は子之や田常のようになってしまうでしょう。だから昔から言われているのです。「己の好悪を隠せば、臣下は素顔を現す。」と。臣下が素顔を現せば、君主が臣下を見誤ったりはしなくなるのです。



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